ぺろぺろ速報

主にけいおん!関連のSS・VIP・声優・アニメetc.. 個人的に好きなものまとめ。

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憂「プリズンブレイク!」

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 21:53:42.14 ID:y42+suO5O
憂「う~ん今日の晩御飯何にしようかな…」

いつも通りスーパーで夕御飯の材料を買っていた時だった。

そこに、一本の電話

Prrrr…

憂「ん? 誰だろ」

携帯には見知らぬ番号、憂は特に訝しむこともなくそれをとる。

憂「はいもしもし」

警察「平沢憂…さんですね?」

憂「はい…そうですけど」

警察「警察です。お姉さんの携帯から連絡しているのですが…」

憂「警察…? お姉ちゃんに何か!?」

警察「今日の夕方、先ほどですね…平沢唯さんにはアイス強奪の容疑で逮捕されました」

憂「嘘…」

テンッテンテン──


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:00:11.43 ID:y42+suO5O
平沢家───

憂「皆さんは一緒じゃなかったんですね…」

律「あぁ…多分事件が起こったのは別れた後だと思う…」

澪「でも唯がアイスを強奪するなんて…」

梓「アイス~アイス~とは言ってましたけど…」

紬「唯ちゃん…私がおやつにアイスをもってこないばっかりにっ」

憂「皆さんのせいじゃないです…。それに私はお姉ちゃんがそんなことするとは思えません…っ」

律「確かにな。いくら唯がアイス好きでも強奪なんて真似…」

澪「でも唯は逮捕された…これからは警察の仕事だ。私達にはもう…」

憂「私が…お姉ちゃんを助け出します!」

4人「!?」


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:07:50.58 ID:y42+suO5O
澪「助けるって言ったってどうやって…?」

憂「脱獄させます…私が」

律「どうやって!? 唯はあの鉄壁と言われる桜ヶ丘刑務所に入れられたんだぞっ! それに脱獄なんて…」

憂「警察の人に聞いたんです…このままだとお姉ちゃんは…無期アイス懲役に…」

4人「!?」

紬「そんなの唯ちゃんにとって死ぬことと同義だわっ! なんて酷いことを…」

梓「唯先輩…」

憂「刑期執行は明後日…それまでにお姉ちゃんをあそこから出します。先輩達はその間にお姉ちゃんの無実を証明出来る材料を揃えて欲しいんです」

澪「憂ちゃん…」



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:14:28.84 ID:y42+suO5O
律「……わかった! 憂ちゃんがそこまで言うなら私も協力する!」

澪「律!?」

律「私は唯を信じてる…だから憂を助ける、それだけだ」

憂「ありがとうございます…律さん」

紬「私も勿論協力するわ! 唯ちゃんにアイスたらふく食べさせてあげなきゃ申し訳が立たないもの!」

憂「紬さん…」

梓「私も手伝うよ、憂。大した力になれないかもしれないけど…唯先輩がそんなことするなんて思えないし…」

憂「梓ちゃん…」

澪「わかったよ! こうなったら何としてもみんなで唯を助けだそう!」

一同「おーっ!」

憂「待っててね…お姉ちゃん」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:23:58.32 ID:y42+suO5O
桜ヶ丘刑務所────

桜ヶ丘刑務所、通称フォックスリバー。アメリカの刑務所、脱獄不可能と言われるフォックスリバー、その日本版とも言われる要塞振りで脱獄者は未だ皆無でありまた不可能とされている。
中には捨てていたものを勝手にお持ち帰りしたりコンビニでワックスをかけているのに立ち読みを続けるなどの凶悪犯ばかりが収容されている。
中でもアイス強奪は特級の罪、故に平沢唯は特別施設に収容されていた。

唯「う~い~アイス~…」

看守「静かにしろっ!」

────────


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:30:04.32 ID:y42+suO5O
駄菓子屋───

憂「…」

───

澪『憂ちゃんが桜ヶ丘刑務所に入る!?』

憂「はい、脱獄させるには外だけでは不可能です。だから私もアイス強奪で桜ヶ丘刑務所に入り、お姉ちゃんと共に脱獄します」

律「でも一体どうやって…」

憂「それは後で説明します…。それより外でのこと、任せます…皆さん」

梓「本当に上手くいくのかな…」

紬「上手くいかせるのよ梓ちゃん。唯ちゃんの為に」


───

憂「計画は全て話し合った…後は皆さんを信じて動くしかない。お姉ちゃん…今行くから」

憂は駄菓子屋のアイスを静かに手に取り、お金も払わず食べだした!!!


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:35:58.72 ID:y42+suO5O
憂「アイス美味しい~」ペロペロ

憂「お金持ってないのにアイス食べちゃうなんて…!」ペロペロ

憂「これで私は本当のアイス強奪者…償いは何でもします…! けどお姉ちゃんは返して…! 」ペロペロ

おばちゃん「あんらまあ憂ちゃんどしたの?」

憂「おばさん! 私お金ないのにアイス食べちゃってます! 警察に通報してください!」ペロペロ

おばちゃん「あれまあお財布忘れちゃったのぉ? いいよぉいいよぉお金は~。憂ちゃんにはいっつも煮物やら何やらもらってるからねぇ。アイス1本じゃ足りないわよぉ」

憂「ご近所さん付き合いが裏目にっ」ペロペロ


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:41:41.68 ID:y42+suO5O
憂「結局いっぱいアイスもらっちゃった…。お姉ちゃんにあげよっと♪」

ガチャ

憂「お姉ちゃん~アイスもらってきたよ~♪」

シーン…

憂「そうだった…お姉ちゃんはアイス強奪で…」

憂「うぅ…うぇ…ぐすん…」

憂「な、泣いちゃ駄目…! お姉ちゃんはもっと辛いんだから…! 刑執行まで時間がない! 大手のスーパーならきっとっ…。」

憂「お姉ちゃん…帰ってきたらいっぱいアイス食べてね」

憂はアイスと何かを冷凍庫に入れるとスーパーに向かって走り出した。


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:46:23.80 ID:y42+suO5O
大手スーパー アイスコーナー───

憂「」ペロペロペロペロ

憂「」ペロペロペロペロ

憂「」ペロペロペロペロ

店員「アイス強奪だあああああああああ警察を呼べぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

店長「あの食べ方ただ者じゃない…っ!」

7月1日 午後6時、平沢憂 アイス強奪により桜ヶ丘刑務所に連行される。

憂「待っててね…お姉ちゃん」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 22:56:36.65 ID:y42+suO5O
桜ヶ丘刑務所前───

律「で、どうよ実際」

自転車のサドルに反対に座り込みながら澪に促す。
澪は望遠鏡を覗いたまま律に感想を述べた。

澪「隙がない…完璧に要塞だな…。5mの壁囲まれ上には電流が流れてる鉄線、見張り台が隅にあり計四ヶ所、隅々まで監視出来るようになってる。更に監視カメラも多数…内部はわからないけどこれだけでも諦めがつくぐらいだよ」

望遠鏡を下ろし、律に向き直る。

律「でも…憂ちゃんはもう中に…」

澪「ああ…もう後戻りは出来ない」

律「私は逃走ルートを確保するよ、澪は唯の無実を証明してくれ」

澪「うん…! 必ず唯の無実を証明してみせるよ」

律「よ~し…んじゃいっちょ桜ヶ丘刑務所に風穴開けるとしますか」

律は手で拳銃を象り刑務所の壁に向けて、「BANG!」と発砲した。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 23:08:56.18 ID:y42+suO5O
桜ヶ丘刑務所 特別収容施設───

看守「平沢、今日から相部屋だ。良かったな、上の配慮だ」

唯「えっ…」

憂「お姉ちゃん…」

唯「憂!? 何でここに…」

憂「私もアイス…食べちゃった」テヘ

唯「憂ぃ…」じわぁ

看守「感動の対面は中でやりな。平沢唯、妹に色々教えてやりなここのこと」

唯「ベーっだ!」

看守「ふん…」

憂「お姉ちゃん…っ」だきっ
唯「憂っ!」だきっ

唯「ごめんね…こんなお姉ちゃんで…」

憂「ううん…お姉ちゃんだから、私は助けたいの。お姉ちゃんの為ならなんだってするんだから!」

唯「憂ぃ…。でも助け出すって…?」

憂「動いてるのは私だけじゃないんだよ、お姉ちゃん」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 23:21:59.20 ID:y42+suO5O
看守「え~と、名前は?」

梓「はいっ! 今日から入りました中野梓です! お掃除のバイトは初めてですが頑張ります!」

お掃除係「女子刑務所は人手が少ないから助かるわ~頑張ってね中野さん」

梓「はいですっ!」

看守「中野さんね。まあ色々大変だろうけど頑張って。後特別収容施設には近づかないように。あそこは専門の掃除係がいるから」

梓「はい!(唯先輩達がいる特別収容施設には行けない…か。どうしたものか…)」



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 23:36:22.38 ID:y42+suO5O
─────

紬「お父様…お話があります?」

紬父「なんだ? 時間がない、早めに頼む」

紬「(いくらお父様でも犯罪者も無条件に出すなんてことは出来ない…けどちょっと豪華な差し入れぐらいなら…!)」

紬「実はっ…────」

──────

パシャッ、パシャッ

澪「唯が帰りにコンビニに寄ったのわかったんだけど…」

澪「店員の話を聞く限り我慢出来なくて店内でアイスを食べちゃって財布がないことに気付いた…ってのが本筋だよなぁ」

澪「でもまだ始まったばかりだし、諦めないぞっ!」

──────

律「電動ドリルにつるはし~後な~にがいるかな~。しかしホームセンターっていつ来ても楽しいよな! ずっきゅっきゅーん! って唯かよ…。唯…待ってろよ」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/31(土) 23:44:09.57 ID:y42+suO5O
これまでのプリズンブレイクは

憂「脱獄させます…!」

──

律「いっちょ風穴開けるとしますか」

──

澪「まだ始まったばかりだ…、唯」

──

梓「お掃除のバイトは初めてですが頑張ります!」

──

紬「実はっ…!」

──

唯「憂~アイス~」

──

憂「お姉ちゃんを助け出す…必ず」

テンッテンテン───


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 00:55:49.63 ID:nskQtxIFO
桜ヶ丘刑務所 特別収容施設───

唯「えぇっー!? 脱獄ー!?」

憂「シーッ、お姉ちゃんはアイス強奪なんてやってないんだよね?」

唯「うん…。」

憂「私は信じてるからここに来たの。きっとお姉ちゃんを助け出すから!」

唯「憂…」

憂「じゃあ詳しいこと話して…」

唯「うん…」

──────

唯「ってことなんだぁ…」

憂「わからないことはあるけどこれでお姉ちゃんがアイス強奪なんてしてないってわかった。後はここを脱出するだけだね…!(出る頃にはきっと澪さんがお姉ちゃんの無実を証明してくれてる筈…
そうしたら誤認逮捕をネタに警察をゆすってお姉ちゃんにアイスを山ほど買ってあげるんだから…!)」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 01:07:13.15 ID:nskQtxIFO
唯「脱獄って言ってもどうやって…」

憂「ここの詳しい話を聞かせてお姉ちゃん」

唯「う~んとさっき聞いた話だと夜9時には消灯で朝6時に起床、ご飯は日に三回食堂でだってさぁ」

憂「作業とかはないの?」

唯「特別収容施設の人達は危険だからってほとんど出れないんだって~」

憂「そうなんだ…」

憂「(特別収容施設は通常の場所より警戒が強い…一時的にも外に出れないから脱出のチャンスは少ない)」

憂「お姉ちゃん、しばらく私の言う通りにしてね」

唯「うん! きっと二人で脱出しようね…!」

憂「…うん」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 01:14:21.98 ID:nskQtxIFO
夜9時

看守「消灯だ! 消灯!」

一気に電気が消され暗闇が満ちる。

唯「私はお姉ちゃんだから上ね!」

憂「お姉ちゃん…一緒に寝てもいい?」

唯「憂…いいよ」

二人は上の狭いベッドで寄り添い合うように眠る。

憂「お姉ちゃん…」ぎゅっ
唯「心配かけてごめんね…唯」

憂はもう唯を、いやもとから微塵も疑ってはいない。アイスをもっとあげとくんだった、などの後悔事など一切言わない。
ただ、いつも通り寄り添い、ただ姉に起こった不運を恨むだけだ。

刑執行まで後2日──


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 01:19:36.49 ID:nskQtxIFO
看守「起床! 起床!」

憂「ん…」

看守のうるさい声に無理やり覚醒を促され、憂はゆっくりとベッドから起き上がる。

唯「くか~…」

憂「お姉ちゃん…」

看守「平沢唯! 平沢憂!」

憂「は、はい!」

看守「姉はどうした! 顔を見せろ!」

憂「お姉ちゃんはまだちょっと寝てて…」

看守「起こせ! 平沢唯! 起きろ!」

ガンガンガン

憂「……ッ!」

唯「むにゃ…?」

看守「さっさと起きろ。ここは高校じゃないんだぞ! お前達は受刑者だ! それを肝に命じておけ!」

憂「…」ギリッ


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 01:24:52.01 ID:nskQtxIFO
食堂────

唯「食堂はひとつしかないからみんな一緒なんだね…」

憂「そうみたいだね…」

唯「あんまり美味しくないね…」

憂「うん…」

堅いご飯に薄い味噌汁、生臭い魚にボロボロの切り干し大根。

唯「ぐすん…憂の美味しい料理が懐かしい」

憂「泣かないでお姉ちゃん…ここから出たらいくらでも食べさせてあげるから…」

姫子「(ん…ここから出たら…?)」

唯「早く部屋に戻って寝たいよぉ」

憂「うん…」

姫子「(あの姉妹…特別収容施設のやつか。へぇ…)」


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 01:32:31.19 ID:nskQtxIFO
─────

唯「憂~なにやってるの~?」

憂「ん~ちょっとね」

憂「(1.2.3.4…約8。私の靴のサイズが24だから192cm、横192cm、縦300cm…)」

窓を眺める。

憂「(格子はネジ式だけどついてるのが外側だから空気の入れ替え以外は無理…)」

憂「(後はトイレだけ…部屋の中に脱出ルートはない…か)」

唯「あ~ぁ、さっき聞いたんだけど一般収容施設は漫画とかテレビも見れるんだってさ~いいよね~」

憂「そだね…」

憂「(まずは何とかして一般収容施設に移動することを考えなきゃ…!)」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 01:40:42.65 ID:nskQtxIFO
昼ご飯

唯「憂~これ食べて~…残したら怒られるらしいから…」

憂「好き嫌いは駄目だよお姉ちゃん」

姫子「ここ、いい?」

憂「えっ…あの…」

唯「うわぁ綺麗な人。どうぞどうぞぉ」

姫子「あらありがとう」

憂「(お姉ちゃんってほんと人見知りしないなぁ…)」

姫子「あなた達特別収容施設の人達よね? 何やったの?」

唯「アイス強奪ってことになってます!」
憂「私も…」

姫子「はははっ。面白いねあなた達」
唯「あなたはなにしたの? えっと~」
姫子「姫子よ。よろしくね」

唯「平沢唯だよ!」
憂「妹の憂です」

姫子「天然ちゃんが唯ちゃんでおとなしいのが憂ちゃんね」


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 01:48:48.66 ID:nskQtxIFO
姫子「私は…まあちょっとね。色々わけありよ」

唯「へ~」

姫子「で、あなた達…一般収容施設に来たくない?」

唯「えっ!? いいの!?」

憂「本当ですか!?」

姫子「ちょっとコネがあってね。どうする?」

憂「移れるなら…」
唯「漫画読みたいっ!」

姫子「でもね~…問題があるのよ」

憂「問題?」

姫子「そう、移動出来るのは一人までなのよ。今空いてるのは私の部屋だけなのよね」

唯「えぇ~…」

憂「…、お姉ちゃんを移してあげてください」

唯「憂!? 何いってるの!」

憂「大丈夫お姉ちゃん。私は一人でも大丈夫だから…ね?」
唯「憂…」
姫子「…(なるほどね)」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 01:55:11.69 ID:nskQtxIFO
唯「なんとかならない姫ちゃん?」

姫子「う~ん…枠が空いたらいけるかもだけどねぇ…どうかしら」

唯「そっかぁ…」
憂「お姉ちゃん、私のことは気にしなくていいから…」

唯「ううん。憂も来ないと行かないよ! 私一人だけ行くなんて出来ないよ…私の為にこんなとこに来ることになったのに…これ以上迷惑かけられないよ」

憂「お姉ちゃん…」

姫子「(いいわぁ、最高。これは脱獄云々なしでも飼っちゃいたいわね)」

姫子「そういうことなら仕方ないわね…。まあ空きが出たらまた連絡するわ」

唯「お願いします」ペコリッ
憂「お願いします」ペコリ



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:02:46.89 ID:nskQtxIFO
一般収容施設───

姫子「(さ~てと、誰に消えてもらうか…)」

純「姫子さん漫画読みに行きましょうよう!」

姫子「(純か…でもこの子は従順だし作業の班長でもあるし脱獄には何かと使えそうだしな…)」

佐々木「早く行きましょうよ」

姫子「(こいつでいっか)うん、行こうか…」

梓「お掃除するですよ~、トイレペーパーない人は申告してくださいです」

姫子「(何あの子可愛い…掃除バイトかぁ~残念)」

梓「(やっぱり唯先輩達はいないか…憂は何とかこっちに来るって言ってたけど大丈夫かな…)」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:07:41.92 ID:nskQtxIFO
純「刑務所の中も案外悪くないですね~ジャンプ読み放題なんて!」

姫子「そう~? 最近じゃジャンプも落ち目じゃない? やっぱり私はヤングワロスが好きだわ」

佐々木「ちょっとトイレ」

純「行ってらっしゃ~い」

姫子「……」

純「姫子さんもトイレですか?」

姫子「ん~? ちょっとお水取りに行くだけよ。純の分もとってきてあげるわね」

純「ありがとうございます」ニコニコッ

姫子「(可愛いわねぇほんと)」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:15:13.55 ID:nskQtxIFO
佐々木「…ふぅ」

手を洗い蛇口を閉める。きゅっきゅっと云ういい音がした後、顔を上げ鏡を見ると自分の顔以外にもう一つ映るものがあった。

佐々木「あ、姫(ry」

ぐしゃっ……

──────

おい、誰か呼べ!早くしろ!

梓「何事ですかね?」
掃除係「さあ…なにかねぇ」

看守「どいてどいて!」

看守が焦りながら独房に入る。

看守「これは酷いわね…」

梓も興味を惹かれたのか看守を避けるようにして独房の中を覗き込むと

梓「ひっ…ち、血だらけ…」

血だらけの女性がトイレに突っ伏すように倒れ込んでいた。

純「佐々木さん…!? 佐々木さん! 誰がこんなことを…」
姫子「あらまぁ…んふ」
梓「!?(この人…笑ってる…?)」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:25:36.73 ID:nskQtxIFO
夜ご飯

唯「ハンバーグとか出ないのかな?」もぐもぐ

憂「出ないと思うよ」もぐもぐ

唯「姫ちゃん来ないね。というか一般収容施設の人ほとんどいないね。何かあったのかな」

憂「どうしたんだろうね…」

姫子「はあ…」

唯「あっ、姫ちゃん! こっちこっち~」

姫子「あぁ、唯に憂。参ったわ全く」

唯「どうしたの??」

姫子「何か喧嘩があったらしくてね…人が怪我しちゃって…」

憂「そうなんですか…?」

唯「怖いね憂…」

憂「うん…」

姫子「でもそのおかげ…って言い方も悪いわね。空きは出来たわ。ただ二人一緒の部屋って言うのは無理だから…」
唯「う~ん…どうしよっか憂?」
憂「(別々でも当初の予定通り一般収容施設には移れるなら…)」
憂「移動しよ、お姉ちゃん!」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:34:43.10 ID:nskQtxIFO
唯「憂がそう言うならいいよ! 姫ちゃんよろしくね!」

姫子「おっけ。ただ今は色々あって禁固刑中だから注意してね。部屋はどうする? 私と一緒の部屋はどっちにする?」

唯「どうしよっか?」

憂「お姉ちゃん行きなよ。姫子さんなら安心してお姉ちゃんを任せられます!」

姫子「嬉しいこと言ってくれるわね」

唯「わかった! じゃあよろしくね姫ちゃん!」

姫子「うん、こちらこそよろしくね」

姫子「明日の朝には移動出来ると思うから、今日は狭いベッドで我慢してね。じゃあまた明日」

唯「またね~ばいば~い」

憂「(刑執行は明日の6時…間に合うかな…いや、間に合わす…必ず)」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:40:26.40 ID:nskQtxIFO
一般収容施設

姫子「(来るのは唯ちゃんか~…まあいっか。妹の方が溺愛してるみたいだし問題はないでしょ。佐々木には悪いことしたわね、けどまあ一人やるのも二人やるのも変わらないよね)」

隣の独房
ベッドの上で体育座りをしたまま、俯いて動かない

純「佐々木さん…誰が…。決まってるよねそんなの…でも…」

純「やっぱり…怖いよ…こんなところ…いたくない…お母さん」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:44:34.40 ID:nskQtxIFO
特別収容施設───

唯「…憂、起きてる?」

憂「うん…なぁにお姉ちゃん?」

唯「明日から別々になっちゃうね…」

憂「……うん」

唯「本当によかったの?」

憂「お姉ちゃんを出すためだから…」

唯「憂はいっつもお姉ちゃんお姉ちゃんって…嬉しいけど…辛いよ…私にも憂のこと、心配させてよ…頼ってよ…」

憂「お姉ちゃん…ありがとう。(でも…もう私は…)」

それ以上憂は語らず、ただ寄り添い合って眠った。

憂「(いつかまたここではないどこかで、一緒に眠れたらいいな…)」



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 02:58:49.27 ID:nskQtxIFO
運命の朝────

看守「平沢唯、憂、出ろ。一般収容施設に移動する。ついてこい」

唯「(やったね憂♪)」
憂「(うん♪)」

頑丈な扉を抜け一般収容施設に入る。
一階、二階に何個もの独房がある。今は自由時間のはずなのに扉は完璧に閉まっていた。

看守「平沢唯、お前はここだ。良かったな、可愛がってもらえよ」

唯「?」

姫子「ふふ、いらっしゃい唯ちゃん…」

看守「平沢憂、お前はこっちだ。仲良くしなよ」

憂「えっと…平沢憂です…これからよろしくね」

純「……鈴木純…よろしく」

憂「じゃあ純ちゃんって呼んでいい?」

純「……好きにして」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:06:45.51 ID:nskQtxIFO
特別収容施設の服から一般収容施設の服に着替える唯。

姫子「唯ちゃんって結構着痩せするタイプ~?」ジロジロ

唯「そ、そんなジロジロ見ないでよぅ…恥ずかしいよぉ///」

姫子「うふふ…可愛い」

姫子はゆっくり唯に近づくと胸をまさぐり始めた。

唯「あっ…もぅ…くすぐったいよぅ」

姫子「(この反応…もしかして処女かしら。大当たりねほんと)」

そのままブラの奥にスルリと手を滑り込ませる姫子。

唯「やぁん…」

姫子「ふふ…」

首筋を舐め回す様にキスをしていきながら指で乳首を転がす。
そしてとうとう姫子の手が唯の…

唯「やめっ…」

看守「朝飯だ! 早く出ろ! 禁固中だから並んで行ってもらう! いいな!」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:12:56.15 ID:nskQtxIFO
さっと手を引き出ていく姫子。

姫子「な~んてね。早く着替えなよ唯ちゃん」

唯「もう~…」フンス

憂「純ちゃんって私と同い年ぐらいかな?」
純「今年17だからそうだね…」

唯「あっ、う…」
姫子「唯~早く~」
唯「……うん、今いく」

食堂───

姫子「でさ~……おかしいでしょ~?」

唯「あはは…」チラッ

純「…」パクパク
憂「純ちゃんお魚好きなの? 私のもいる?」
純「……もらう」
憂「はい♪」
純「///」

唯「(憂は仲良くしてるみたいだね……良かった)」
姫子「ねぇ唯ってばぁ!」
唯「あ、う~ん聞いてるよぉ」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:19:22.36 ID:nskQtxIFO
憂「(刑は午後6時…やっぱり時間が足りない…何とか伸ばせないかな…)

純「憂、憂ってば」

憂「ん? なぁに純ちゃん」

純「この後作業があるから。特別収容施設じゃやらなかったと思うけどこっちじゃやってもらうことになる。私の班に入ってもらうからついてきてね」

憂「うん。わかったよ純ちゃん♪」ニコニコッ

純「(可愛い…)」

隣の独房───

唯「やめてよ姫ちゃ…ぁんっ…」

クチュクチュ…

姫子「何よもうこんなに濡らしてるくせに…唯、キスしよ」

唯「い、いや…」

ぬちゃりと絡み付く濃厚なキスをされる唯。

唯「ん……」ポー…

姫子「んふふ…」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:30:07.48 ID:nskQtxIFO
──────

澪「律、準備は?」

律「完璧ぃ。そっちは?」

紬「えぇ。何とか贈り物は憂ちゃんに届けられたわ」

澪「こっちも裏は取れた…。後は…」

三人は高い、高い、桜ヶ丘刑務所の壁を見据える。

律「この壁は…私達全員で突破する」

紬「梓ちゃんは?」

澪「まだ中だよ。一番の功労者は梓だな」

律「何いってんだよ、憂ちゃん…だろ…」

澪「……無事かなみんな」


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:44:30.82 ID:nskQtxIFO
看守「平沢憂、届けものだ。サインしろ」

憂「はい…」

純「何々?」

憂「そんな大したものじゃないよ」

純「汗ひき様のスプレーに…ガムに…手紙?」

憂は素早く手紙に目を通す

憂「じゃあ作業いこっか、純ちゃん」

純「ん? うん」

純「姫子さ~ん作業行きますよ~」

姫子「あらもうそんな時間? せっかくいいところだったのに、ねぇ唯ちゃん?」

唯「はぁ…はぁ…んっはぁ…」

憂「お姉ちゃん汗いっぱいかいてるよ? 汗ひきようのスプレーあるから使う?」

唯「ん~ん…大丈夫」

看守「さっさとしろ。終わったら定期検診だからな」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 03:53:01.04 ID:nskQtxIFO
純「作業、と言っても簡単です! ここで空き缶のプルたぶをとって分類するだけどね」

憂「(一般収容施設を出て外の小屋にあるんだ…ここは昔…)」

姫子「姫子地味な作業苦手なのよね~…唯ちゃん私の代わりにやってよ」

唯「えっ…」

憂「!?」

姫子「な~んて嘘よ嘘。純~やっといて。私寝てるから」

純「はい…」

憂「純ちゃん…いいの?」

純「私の昔のあだ名じみちゃんだったから…こういうの得意なんだ!」

憂「純ちゃん…」

唯「三人でやればすぐだよ!」
憂「お姉ちゃん…」
純「うんっ」
姫子「~zzz」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:00:31.04 ID:nskQtxIFO
診断室───

看守「お前達が最後だ。早く済ませろよ」

姫子「は~い」

和「じゃあ服を脱いで」

憂「」クチャクチャ

唯「憂なに食べてるのー?」

憂「ん~? ガムだよお姉ちゃん」

唯「あっいいないいなぁ! 私にもちょうだい!」

憂「はいお姉ちゃん♪」

唯「えへへやったぁ♪ 」クチャクチャプクー

純「あ~っ!私にもちょうだいよ!」

和「静かにしなさい」

唯「は~い」

和「……」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:07:28.95 ID:nskQtxIFO
唯「お願いします!」

和「はい」

唯「……、……、冷ちッ!」

和「あ、ごめんなさいね。はぁ~はぁ~」

和は聴診器を息で温めると再び唯のお腹につける。

和「これでどうかしら?」

唯「冷たくないよ! ありがとう先生!」ニコニコッ

和「……//」

憂「……」

──────

純「あ~恥ずかしい恥ずかしい。早く帰ろっと。じゃあ先行ってるね憂」
憂「うん」

和「最後はあなたね」
憂「あの…先生」

和「真鍋和よ。どうしたの?」
憂「私、和先生が二番目に診察した人の妹なんです」
和「えぇと…平沢憂ちゃんね。さっきのが平沢唯ちゃん」
憂「はい…」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:15:51.96 ID:nskQtxIFO
憂「実はお姉ちゃん今日熱があって…だから刑の執行を伸ばしてくれる様言ってくれませんか?」

和「熱? さっきはそんな風に見えなかったけれど…」

憂「和さん…さっきお姉ちゃんを診察した時に熱くありませんでしたか?」

和「熱く…? ん~…確かに何だかこうモヤモヤしたわね…」

憂「お姉ちゃんが熱だからですよ!」

和「う~ん…そうなのかしら」

憂「(やっぱりお姉ちゃんの可愛さは大地を揺るがすだよね! 和さんもお姉ちゃんの魅力やられちゃってるみたい)」

和「確か無期アイス懲役よね? 確かにそれだと熱があると困るわね…暴れるかもしれないし」

憂「はい…」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 04:23:58.51 ID:nskQtxIFO
和「わかったわ。何とか言ってみるわね」

憂「ありがとうございます! じゃあ」クチャクチャ…

バタンッ

憂はガムを包み紙に包み、廊下にポイ捨てする。

ブロロロ…

梓「……(あったこれか)」

梓はその包まれたガム拾いあげる。

梓「こんにちは~、ゴミ回収に来ました~」

和「あらご苦労様」

梓「忙しそうですね」

和「うん、ちょっとね色々あってね」

梓「(順調ってことか…)」
梓「じゃあゴミ回収しますね」

梓はゴミを回収し、診察室を出ていく、時───

梓「(今だッ!)」

さっき憂が噛んでいたガムを包み紙から引き剥がし、ドアの鍵ポケットにそれをねじ込んだ。


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 15:27:13.62 ID:nskQtxIFO
それを更にちょうどに収まる厚紙を嵌め込み出ていく。
旧式のドアで鍵をかけると鉄板が木の溝にハマり鍵がかかるというものだがその木の溝に梓はガムと厚紙を入れたのだ。

梓「(上手くいった…!)」

梓「(後は憂の仕事だからね…頑張って)」

─────

律「そろそろ夜6時…もし刑期執行場所に明かりがつけば…」

澪「失敗だ。唯は二度とアイスを食べられなくなり廃人同然で釈放される…」

紬「(……なんでアイスを食べられなくなるのかしら?)」

時刻は間も無く午後6時を迎えようとしていた。


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 15:35:38.51 ID:nskQtxIFO
看守「平沢唯、出ろ」

唯「ほえ?」

姫子「ん?」

ガラガラガラ…

看守「どんな人生だろうな…一番好きなものを奪われたまま生きるってのは」

唯「…」

看守「こい、刑執行だ」

姫子「まさか…そんな早く!? 唯…!」

唯「すぐ戻ってくるよぅ姫ちゃん」

姫子「(アイス強奪の刑がどれだけ重いか知らないのね…唯。さようなら…大好きだったよ唯。色々な意味で)」

タッタッタ…

憂「……」

唯「あ、憂ぃ。ちょっと行ってるね!」

憂「えっ…あ、うん。気を付けてねお姉ちゃん!」


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 15:43:08.82 ID:nskQtxIFO
純「憂…辛くない?」

憂「う…お姉ちゃんはあんまりアイス好きじゃないから大丈夫!」

純「えっ…そうなの? なのにアイス強奪なんて…?」

憂「人生色々あるんだよ純ちゃん」

純「??」

─────

看守「座れ。これを着ろ」

看守は暑そうな服を唯に渡す。

唯「う~暑いぃ~」

看守「これからもっと暑くなるんだ、我慢しろ」

唯「……」

暑い服に着替えさせられた後、椅子に手足を縛られ座らされる。

看守「(何度見ても心が痛むな……)」

唯「(和さんは間に合わなかったのかな…)」


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 15:54:40.29 ID:nskQtxIFO
唯「(無期アイス懲役の刑ってどうやるだろ…二度とアイスを舐められないように舌でも引っこ抜かれるのかな…)」

唯「(だとしたらやだな…そうしたらもうお姉ちゃんと…)」

看守「始めるぞ! アイス投入後、全開にしろ!」

────

澪「律! あれ!」

律「くっ…駄目だったか…っ! すまない唯…私達が不甲斐ないばっかりにっ…」

紬「うぅ…唯ちゃん…」

────

いよいよ刑執行の時っ…!

唯「暑い…」

部屋の中は暖房により極限まで暖められ、そして目の前にはアイスが…!


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:01:38.57 ID:nskQtxIFO
唯「アイスだ……暑い…食べたい…」

でも食べられないっ…! 決してっ…!

唯「アイス~…溶けちゃう…」

看守「うっ…」
看守「吐くならあっちでね…」

唯「アイス~…(確かに食べたくなるけどこれで無期アイス懲役になるのかな…?)」

唯「(でも…この暑さは…どうにかなっちゃいそう…)」

唯「誰か…たすけ…」

唯「(お姉ちゃん…)」

和「ストップよ! 今すぐ暖房を止めて!」

看守「先生どうしましたか?」

和「今の受刑者は熱があるの! 急いで出して! 命に関わるわよッ!」


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:11:56.25 ID:nskQtxIFO
看守「なんてこと! 急いで出せ! 早くしろ!」

唯「……うぅ…」

和「大丈夫? しっかり! 遅くなってごめんね。色々手続きがあって」

唯「ありがとう…ござい…」バタンッ

和「唯ちゃん!? 医務室運びます! 手伝って!」

────

律「動いたっ!」

律が遠くを眺める様な姿勢からそう告げる。

澪「予定よりだいぶ終わるのが早いな…」

梓「先輩~!」

紬「梓ちゃん! 今バイト終わったの?」

梓「はい! それより朗報です! 刑の執行が延びました! さっき医務室の前で聞いたから間違いないですっ!」



82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:18:43.27 ID:nskQtxIFO
律「よぅしーこれで作戦は継続だ! みんな準備にとりかかってくれ!」

澪「憂ちゃん…!」

紬「梓ちゃんもお疲れ様」

梓「はいっ! 後は憂に任せましょう…憂ならきっとやってくれますよ!」

紬「そうね…」

律「後もう少しだ! みんな頑張ろうぜ!」

澪紬梓「おーっ!」

テンッテンテン

────

唯「ん……ここは…涼しい…」

和「あ、起きた? ベッドがあってクーラーがある部屋なんてここじゃここぐらいだからね。気分はどう? 憂ちゃん」

憂「はい。ずいぶんよくなり…ってえっ!?」

和「胸の大きさでバレバレよ」


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:26:42.26 ID:nskQtxIFO
憂「あ、あの…このことは…」

和「いいわ、内緒にしといてあげる」

憂「ありがとうございますっ!」

和「でも結局二人とも受刑しなきゃならないのに…」

憂「うっ…」

和「どうしてそんなことしたのかしら…」

憂「えっと…その…」

和「まさか脱獄…なんて…そんなわけないわよね?」

憂「そ、そっ、んなことするわけないじゃないですかっ! 第一したくても出来ませんよ…こんな完璧な牢獄じゃ…」

和「それもそうね。もし出来る人がいたら…それはロジャー・バートレットぐらいかしらね」



84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:38:07.84 ID:eWEDsDto0
唯のアイス強奪の容疑は晴れても、憂は本当の犯罪者だね



85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:38:30.12 ID:nskQtxIFO
和「熱もあまり高くないし、もう帰っていいわよ」
憂「はい、ありがとうございました」
和「あんまり無茶しちゃ駄目よ…あなたもお姉さんも」ボソッ
憂「?」
和「何でもないわ、なんでも」

────

看守「よし入れ。運が良かったみたいだな平沢」

唯「おかげさまで」ニコッ

憂「あっう…お姉ちゃん! 無事だったんだね! 良かったぁ…」

唯「いい子にしてた憂?」

憂「ぶー子供扱いしてっ」

唯「ごめんごめん」

姫子「(あれ…何か違和感が…)」

純「お姉ちゃん帰ってきて良かったね憂」
憂「うんっ! 純ちゃんも心配してくれてありがとねっ!」ニコニコッ
純「うぅ…(可愛いけど何か違う…)」

唯「(後は夜を待って脱出するだけ…ピースは全て収まった)」

テンッテンテン───


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:44:52.70 ID:nskQtxIFO
夜───

姫子「じゃあ寝よっか~…」

姫子はいつも通りといわんばかりに上のベッドによじ登る。

唯「あっ、あの…ね、姫ちゃん」

姫子「ん~なぁにかしこまっちゃって?」

唯「私上がいいなぁ~。ダメ?」

姫子「え~トランプで決めたじゃん」

唯「そ、そうだけど…上じゃないと眠れなくて…」

姫子「……じゃあ一緒に寝よっか?」

唯「えぇっ!?」

姫子「冗談よ。こんな狭いベッドで二人も入ったらキツくて寝れないわ。しょうがない、今日は特別譲ってあげる」

唯「ありがとう姫ちゃんっ!」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:49:21.08 ID:nskQtxIFO
看守「消灯だ! 消灯!」

電気が落とされ真っ暗闇の世界と化す一般収容施設。

唯「(ようやく…来た…この時が)」

ガサゴソ…

唯「確かこの辺り…」

ガタンッ…

唯「(やった…! やっぱり改装しても直してなかったんだ…!)」

天井の一部が外側に開く。そこから顔を覗かすと屋根裏のような何もない空間に出る。

唯はそこをよじ登ると静かに蓋を閉めた。

姫子「……」

─────

憂「純ちゃんはさ。外に出たくないの?」

純「そりゃあ出たいよ。出れるんだったらさ。出て…ちゃんと学校行って…やり直したい」


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 16:55:59.03 ID:nskQtxIFO
憂「後悔してる? 自分のやったこと」

純「うん…二度と立ち読みなんてしないよ」

憂「なら一緒に行こう純ちゃん!」

純「行くってどこに…?」

コンコン…

憂「憂遅かったね~」

唯「うんしょっ…と…。こっちも開いてて良かった。」

純「ちょ、どこから来てるのよ! それに憂? 唯? あれ??」

唯「憂の真似は難しいね~」

憂「上手だったよお姉ちゃん♪」

唯「そうかなぁ~」エヘヘッ

純「い、入れ替わってたの!? いつの間に!?」

憂「定期検診が終わった後に看守さん用のトイレ使わせてもらっててその時に…ね」


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:03:10.65 ID:nskQtxIFO
唯「さっきはほんとにありがと憂。大丈夫だった?」

憂「うん大丈夫っ。それより早く行こうお姉ちゃん! 外でみんな待ってるよ!」

唯「そうだったそうだった! ささ、純ちゃんも早く登った登った!」

純「えっ、ちょっと待ってよ! ほんとに脱獄するつもり!? 出来ると思ってるの!?」

憂「出来るよ…必ず」

純「なんでそんなことが言えるのさっ! 憂はここの地図でも持ってるわけ!?」

憂「あるよ…地図」

純「どこに?!」

憂「私の頭の中に…ね」

テンッテンテン───


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:10:36.89 ID:nskQtxIFO
純「頭の中って…」

憂「私はここの設計図を暗記して来たの」

純「暗記ねぇ…」

憂「時間がない! お姉ちゃん、先に行って!」

唯「う、うん。純ちゃん…」

純「私は…行かないよ! 見つかってまた罪が重くなったらもうやり直せない…」

憂「純ちゃんの好きなようにして。ただ…立ち読みの罪はここで文学書5000冊読まないと出れない。純ちゃん今まで何冊読んだの?」

純「うっ………5冊」

憂「それだといつ出られるかわからないよ?」

純「ジャンプとマガジンとサンデーが入るならもう出てるのにぃ!」

憂「それに純ちゃんはもう十分反省したと思うの…」

純「憂…」


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:13:16.73 ID:t9p10EeY0
いろいろ突っ込んだら負けだなwww



93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:18:18.34 ID:nskQtxIFO
憂「じゃあ私達は行くから」

唯「ばいばい純ちゃん…」

純「う~…」

二人は屋根裏に登ると、二人揃って顔を出し。

唯&憂「じゃあね…純ちゃん」

純「ああもうわかったよ! 行けばいいんでしょ行けば!」

唯「さすが純ちゃん!」

憂「暗いから気を付けてねお姉ちゃん」

ボフッ

純「あっ、ごめん誰かのお尻に…」

唯「純ちゃんのえっち!」

純「うっすらとしか見えないんだから仕方な…」

ボフッ

憂「きゃっ」
純「なるほど、こっちが憂でさっきのが唯さんね。覚え(ry」
憂「なくていいよっ!」


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:25:52.98 ID:nskQtxIFO
純「で、脱出プランは?」ヨチヨチ

憂「このまま診察室の近くまで行ってそこから降りて診察室の窓を破って外に出るの」ヨチヨチ

純「このまま診察に行けばいいんじゃないの?」ヨチヨチ

憂「あの辺りはもう全部新しくされてるから屋根裏は繋がってないの。だから降りて行かないと」ヨチヨチ

唯「純ちゃんさっきからお尻触りすぎだよぉ…」

純「えっ、私触ってないですよ?」

唯「じゃあ誰が…」

姫子「唯のお尻ってほんと安産型よね~いいわぁ」

唯「ひ、姫ちゃん!? いつの間に!?」

姫子「置いてくなんて酷いじゃない唯」


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:31:52.31 ID:nskQtxIFO
姫子「私とあなたの仲でしょ?」

唯「えぇと…うん…」

純「っ……」

姫子「まああなたが良くても妹さんが嫌がってたのなら仕方ないわね…、ねぇ憂ちゃん。さっきはベッド譲ってあげたのに酷いじゃない」

憂「…どうしてわかったんですか?」

姫子「簡単よ。私と唯はベッドを賭けてトランプなんてしてないもの」

憂「……」

姫子「そんな怖い顔しないでよ~見えないけど♪ 」

姫子「ここまで来たらみんな運命共同体よ! 脱獄目指して頑張りましょう?」

唯「憂…姫ちゃん悪い人じゃないから…ちょっとえっちさんだけで…」

憂「(それが駄目なのっ!)」


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:42:37.35 ID:nskQtxIFO
姫子「そんなこと言って~ほんとは触って欲しい癖にっ」

唯「あっ…やめてよぉ姫ちゃ…ん…」

憂「わかりました。けど条件があります」

姫子「何々?」

憂「今後一切姉には触らないでください。それが約束出来るならいいですよ」

姫子「あれ? 嫌われちゃったかしら? 」

唯「憂…」

姫子「まあいいわ。けど唯から触って~って言った場合はノーカウントね!」

唯「言わないよぉ」

姫子「あら寂しい」

憂「」ギリッ

純「……」

四人になった脱獄犯達は診察室に向かうのだった……。



98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 17:53:08.48 ID:nskQtxIFO
姫子「結構入り組んでるわね…道は大丈夫なの?」

憂「話しかけないでください、気が散ります」

姫子「あらあら…」

憂「もうすぐつきます…普段この辺りに看守はいませんが巡回してる場合もあります。気をつけてください」

───

憂「つきました。ここです…」

純「誰から降りる?」

憂「私から降りるね。合図したらみんなも降りてきて」

一同は暗闇の中こくりと頷くと憂は排気口を開け、ゆっくりと通路を確認し、誰も居ないことを確認してから降り立った。
この時点で見つかれば終わり…一生この檻の中で過ごす事になる


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 18:01:34.48 ID:nskQtxIFO
憂「…」キョロキョロ

コンコン

憂の合図を聞きみんな通路に降りる。

姫子「あれ…ここって…診察室じゃないじゃない」

憂「屋根裏ルートじゃ進めるのはここまでです。みんなついて来て、こっち」

憂が身を屈めながら進むのをみんな真似しながらついていく。

先に進んで行くと前に錠前がついた格子の扉が見えてくる。

姫子「って鍵閉まってんじゃない! しかもこんな丈夫そうなやつが!」

憂「静かにしてください。看守にバレたらどうするんですか」

純「憂…どうするの?」

憂「純ちゃん、錠前なんてね、ある道具があればお豆腐より柔らかいもなんだから♪」


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 18:08:00.32 ID:nskQtxIFO
唯「どういうこと~憂?」

憂「まあ見ててよお姉ちゃん♪」

憂はスプレーを取り出すとそれを逆さにし、錠前にスプレーをかけ始めた。

するとみるみる錠前が凍っていく。

憂「じゃあ純ちゃん、軽く蹴ってみてくれない?」

純「えっ…いいけど」

純「せ~の…てやっ!」

ガシャンッ

純「わ~ぉ」

唯「純ちゃん凄いね!」

姫子「殺人キックだわ…」

純「えっへん! じゃなくて! どんな魔法使ったのさ憂!?」

憂「う~ん…簡単に言うとこういうスプレーって冷たいでしょ? で、より冷たいのは下にたまってるの。だから逆さまで吹き掛けることによってすご~い冷たいのがぶしゅ~って!」

純「憂もあんまりわかんないんだね!」
憂「そうなんだぁ」テヘヘ


107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 19:57:18.08 ID:nskQtxIFO
一同は扉を抜け、診察室の前と辿り着いた。

ガチャガチャ

姫子「閉まってるわね、鍵あるの?」

憂「なくても大丈夫です」

純「また憂のとんでもマジックショー?」

憂「これは私だけじゃない…みんなの想いが導いてくれた道…」

憂「行きます…」

憂はドアノブを回しながらゆっくりと斜めに力を入れ、押し開ける。

純「あらら、意外とあっさり開いたね。ほんとに鍵かかってたんですか姫子さん?」

姫子「私が間違うわけないでしょ? 純のくせに私に意見しないでよ」

純「はいはいすみませんでした~…」


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:04:48.93 ID:nskQtxIFO
憂「今回は簡単ですよ。ただこの溝にガムを詰めて閉まりを甘くしただけだから」

純「あっ! もしかしてあの検診の時噛んでたガム!?」

憂「ご名答~」

唯「私なんてただ美味しい~って噛んでただけなのにっ! 憂凄いねっ!」

憂「そんなことないよお姉ちゃん♪」

姫子「……」

純「……」

憂「早く行こっ。ゴールはすぐそこだよ!」

診察室に入り扉を閉める。

憂「ここの窓は唯一格子がついてないの。だからどうしてもここに行く必要があったんだけど…ここまでは上手くいってるね」


109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:12:12.14 ID:nskQtxIFO
姫子「特に何もない普通の窓ね。これを開けて外に出てからどうするの?」

憂「作業をしてた小屋に行きます。そこから脱出します…! みんなもいい?」

姫子「ブレインであるあなたに指図するつもりないわ」

純「ここまで来たら憂と心中しちゃうもん私」

唯「ずっと一緒だよ、憂」

4人は手を重ね、ただ成功を祈った。

憂「ここからは無駄なお喋りはできないからね…!」

唯純姫「」コクリ

憂「ここの窓には振動センサーがあって切ってからじゃないと絶対鳴っちゃうの。けどセンサーを切りに行くリスクはこのまま逃げるより高い…。 だからみんな、鳴っても驚かないでね」

唯純姫「うん…」


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:20:06.37 ID:nskQtxIFO
憂「1.2.3で行くから…!」

四人に緊張が走り、汗が額の上を走るのがわかる。

憂「1.2の…」


憂 「さんっ!」

ジリリリリリリリリ

四人の本当の大脱走が始まった。

─────

律「来たっ! 合図だ!」

澪「いよいよか…」

律「さ~て警察さんは何分で到着するかな~」

ガガッ

梓『こちら警察署前の梓です! 今装備を整えた警察官達が出ていきます! そっちには5分ぐらいでつくんじゃないかと思います! オーバー!』

澪「了解、オーバー。」

澪「ムギ、聞いたか? 今からそっちに警察が行くから」



112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:26:38.20 ID:nskQtxIFO
紬『了解よ澪ちゃん♪』

澪「時間稼ぎよろしくな」

紬『任せて!』

律「優秀だね~日本警察。時間稼ぎ込みで7.8分か…それまでが勝負」

澪「律、そろそろ配置についとけよ。指示は私が出すから」

律「はいは~い。澪ちゃんったらすっかりやる気になっちゃって!」

澪「もう唯に罪はない。誤認逮捕って認めさせるまで監獄暮らしなんてさせられないだろ」

律「まあな…でも憂ちゃんは…」

澪「…憂ちゃんだって無実さ。唯を助けるために仕方なくやったんだ…。これが無実じゃなかったら世の中嘘だよ」


114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:33:26.87 ID:nskQtxIFO
律「だ、な。じゃあちょっくら行ってくるよ。さわちゃん、囮よろしくね」

さわ子「仕方ないわね…あの子達を助けるためだもの」

律「必ず二人で出てこいよ…唯、憂ちゃん…!」

─────

警察官「桜ヶ丘刑務所にて脱獄事件発生の模様。パトロール中の車両も速やかに桜ヶ丘刑務所に急…」

警察官「なんだぁ!?」

警察官の目に映ったのはデカい立て札。
通行禁止

警察官「おい! 工事をしてるなんて情報入ってないぞ!」

紬「ほんとでっか? それはえらいすいませんどすえ」


115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:37:53.31 ID:nskQtxIFO
警察官「あんたが責任者か? 時間がないんだ! 今すぐここを通してくれ!」

紬「なごと言われでも今水道管の修理中でして道具退けるのにも時間がかかるんどすえ」

警察官「何分ぐらいかかる!?」

紬「えぇ~と……斎藤さ~ん斎藤さん」

斎藤「どうしたと~?」

紬「警察さんがものどけろて~」

斎藤「そりゃ難儀なこって」

紬「で何分ぐらいかかるんと?」

斎藤「はぃ~?」

紬「何分ぐらいかかるんと?」

斎藤「……はぃ?」

警察官「」イライラ


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:41:16.41 ID:nskQtxIFO
斎藤「ああ道具のけろって~?」

紬「そうそう~」

警察官「」イライラ

斎藤「え~ど…あ~! 高橋さん~道具のけるのに何分ぐらいかかりますかねぇ?」

警察官「もういい! 各車両迂回して桜ヶ丘刑務所に向かえ!」


ファンファンファン……

紬「こちら紬、作戦は成功、思ったより時間稼げたみたい」

澪『上出来だよムギ。じゃあまた合流ポイントで会おう』

紬「澪ちゃんに誉められちゃった」

斎藤「良かったですねお嬢様。しかし何故あんな喋り方を?」

紬「そっちの方が面白いじゃない♪」

斎藤「はあ…左様で」



118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/08/01(日) 20:50:23.58 ID:nskQtxIFO
5分経過───

澪「遅いな…予定なら3分にはここに来てるはずなのに」

さわ子「中で何かあったのかしら…」

澪「……」

さわ子「澪ちゃん、そろそろ私達も危ないわ、そろそろここを離れないと…」

澪「わかってます…でも私達がここを離れたら唯達は…」

その時だった

カンッ…カンカン…

あっち側から投げ困れた小石がさわ子の車にぶつかって弾けた。

澪「唯達だ! 律! 頼む!」

律『待ってました!』

─────

律「派手に行くぜ~!」

律はゴム手袋し、ニッパーを取り出すと、配電盤の様なものから線を引っ張って、それを切った

ブツンッ……

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 22:53:46.02 ID:6nu9+FnrO(13)
さっきまで闇を照らしていたサーチライトは黙り込み、辺りは闇に支配される。
人間の怒号しか聞こえない闇の中で、澪は黙々と作業を進める。

手頃な石に縄をくくりつけあちら側へ渡すのだが…このままでは届かない。
普通の石を投げれば軽く越えられるだろうが縄つき、しかも人一人吊り上げられるともなればそうはいかないだろう。
だが対策は既に出来ていた。わざわざこの為にさわ子は車体の高い車をレンタルしてきて、澪はその上に乗って投げる。するとギリギリあちら側へ縄を投げ込めた。縄の数は2つ、キッチリ唯と憂の分だ。
鉄線は後数分はただの針金。
縄にテープを巻いて切れないように強化もしているがあまり刺々しい鉄線ではないため摩擦で切れることはないだろう。
そのロープをさわ子の車にくくりつけ、準備完了。
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 22:55:22.12 ID:6nu9+FnrO(13)
ロープの張りを確認し、さわ子の車がゆっくりロープを引き上げて行く。

澪「そろそろかな…」

澪はロープの先を眺めると、5mの壁の頂きに、二つの影があった。

澪「唯、憂ちゃん…!」

込み上げる気持ちを押さえつつ、次の作業に移る澪。
さわ子の車からロープを外し、遠くの木にしっかりと結びつけた。
これによりロープと地面との斜形が緩やかになり、スロープ状にして降りられるのだ。

澪「いいぞーっ! 二人とも降りてきてー!」

声が聞こえたのか二人はロープを鉄線にしっかり結びつけ、囚人服か何かの上着をロープに絡ませパラグライダーの滑降の様に降りてくる。


5:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 22:56:26.29 ID:6nu9+FnrO(13)
シュルシュルと音を立てながらゆっくり下ってくる二人。

ブゥゥン

律「二人は来たのか!?」

サイドカー付きのバイクに股がった律がフルフェイスヘルメットの黒いバーを上げながら澪に問う。

澪「あぁ! ちょうど降りてきてる! もうすぐ警察が来るから二人を連れて早く逃げてくれ!」

律「わかった!」

少し離れた木の根元にいるだろう二人の顔を見ることなく澪は急いでさわ子の車に乗り込んだ。

澪「気をつけてな、律」ニコッ

律「お前こそ。」ニコッ

それだけ言い合って別れた。警察のサイレンはもう間近に迫っていた。


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 22:57:41.69 ID:6nu9+FnrO(13)
ブゥゥン───

律「唯! 憂! 早く乗れ!」

ちゃんをつける時間も惜しいぐらい状況は切羽詰まっていた。

唯「りっちゃん…バイク乗れたんだ」

律「そんな話はいいから!」

唯達も自体の深刻さをわかっていたのか手早く乗り込む。
後ろには唯が律に捕まる形で、そしてサイドカーには…。

律「よ~し憂も乗った…えっ…」

そこには誰よりも唯に優しく、
誰よりも唯を思い、
誰よりも唯を大好きだった彼女…ではなく。

純「うぇ…なん…で…よぉ! ういいっ!」

ただ泣きじゃくる少女が座っていた。


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 22:59:42.65 ID:6nu9+FnrO(13)
律「唯…憂ちゃんは…?」

唯「……行って、りっちゃん」

律「でも憂ちゃんが!」

唯「行ってよぉ!!! 憂の覚悟を無駄にしないで……!」

涙と鼻水を同時に出しながらもはっきりとした声で律に訴えかける唯。
そんな唯を見たのは初めてだった。

そうだ、あの唯が憂ちゃんを簡単においてくるわけがない。何かものすごい理由があったのだろう。
私なんかが間に入れるわけがないのだ。
誰よりも深い絆を持ったこの姉妹の…。

私は言われるままに夢中でアクセルを握り込み、バイクの速度をあげて行った。
パトカーのサイレンが、まるで他人事の様に遠ざかって行った─────


9:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 23:10:33.78 ID:6nu9+FnrO(13)
────

唯「…ただいま」

誰もいない家にただいまを言ってみた。
でも当然「おかえり」と云う返しはなく、玄関にただ虚しく響いた。

私は真っ先に冷蔵庫の前に立つと、上の冷凍庫を開け、中から冷たい物体を掴み出してはゴミ箱に入れる。

唯「こんなものが憂を……! 憂を!!!」

私がこんなものを好きにならなければ憂はあんな思いをせずにすんだ!

私は夢中になって昔と大好きだったものを捨てていく。

パサリ…

唯「何…?」

メモ用紙の様なものが床に落ちる。唯はそれを拾いあげ、眺めると…すぐに大声で泣き始めた。

唯「うあっ…あああっ…ああああううっ…」

喉を鳴らしながら、息をするのも忘れるぐらい嗚咽する。

『帰ったら一緒に食べようね、お姉ちゃん』

ファイルブレイク─────


13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 23:21:12.78 ID:6nu9+FnrO(13)
─────

四人は夢中で走った。警報が鳴った瞬間サーチライトが闇夜に踊る。
どこかの大怪盗さながらにライトを掻い潜りながら小屋を目指す。
幸いまだ看守などは対応出来ていなく外には出ていない。
まずは誰が脱獄したのかをチェックするため独房の点呼だろうか。
そんなことを考えてる間に四人は無事小屋についた。

素早く中に入ると鍵を閉め、5秒だけ息を整えた。

姫子「ぜぇ…ぜぇ…久しぶりに全力疾走したわ…」

純「私も…はあ…はあ…」

憂「休んでる場合じゃないよ! 早くつるはし持って!」

憂はみんなに倉庫にあるつるはしを渡すと歩数を数え、ピタッと止まった下を夢中に叩き始めた。


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 23:29:29.23 ID:6nu9+FnrO(13)
唯「憂…間に合うの…これ?」

憂「大丈夫、お姉ちゃん。タイルを剥がしたら後は…」

タイルを剥がし、何回か土を叩き掘り返すと。

姫子「わあぉ」

そこに空洞が現れた。

憂「ここの下は防空壕を兼ねた非常出口になってるんです。ここが建てられた当初もまだ戦時間もなかったから完璧に埋め立てなかったんです」

純「憂あんたマジ天才!」

その穴を広げ、人が一人入れる大きさになるとつるはしを置き、皆一様に穴を見た後周りを見た。

純「誰から行く…?」

憂「危ないから私から…」

姫子「待って」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 23:36:36.81 ID:6nu9+FnrO(13)
唯「どうしたの姫ちゃん?」

姫子「悪いけど私が一番最初」

純「姫子さん何を…ひっ!」

姫子「うるさいのよ…純」

姫子は手にキラリと光るものを持っている、メスだ。

憂「どういうつもりですか…姫子さん?」

姫子「ふふ、簡単よ。このまま普通に四人で逃げたらここを発見されて追っ手が来るでしょ? だからあなた達には出来るだけ囮になってこの小屋から注意を反らしてもらいたいの」

純「あんたって人は…!」

唯「姫ちゃん酷いよ…! 友達じゃなかったの!?」

姫子「友達よ~私の欲望を満たすだけの都合のいい友達」

姫子「動かないで!」

憂「くっ…」


17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 23:44:19.34 ID:6nu9+FnrO(13)
姫子「私は本気だから、今から10数える間にこの小屋から出なさい。じゃないと殺すわよ」

純「やっぱりあの噂は本当だったんだ…。姫子さんは本当の殺人で捕まってるって…!」

姫子「9ー」

純「うっ…」

唯「憂…どうしよう」

憂「……わかりました。私はここから脱獄しません。他の場所を今から探します。それでいいですよね?」

姫子「あははっ! わかってるじゃない。じゃあお先に逃げさせてもらうわね。もし振り返ってあなた達を見つけたらすぐさま殺すから」

純「佐々木さんもやっぱり…」ギリッ

姫子「ごめんね~純。人間誰しも自分が可愛いのよ」

メスを手に握りしめたまま非常出口へと降りていく姫子。

姫子「じゃあね~みんな」
そのまま姫子は凄い勢いでその場を離れていった。


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 23:50:26.99 ID:6nu9+FnrO(13)
純「憂…どうしよう? ゆっくり後をつけてく?」

憂「…ううん。その必要はないよ」

純「でも他に脱出ルートなんて…」

憂「ふふ、実はね、こっちは一か八かだったの。本命は別にあるの。人数が多かったからこっちに賭けてたけど今なら…!」

純「な~んだ良かった! 姫子のやつそのまま生き埋めになっちゃえばいいのに!」

唯「姫ちゃん…」

仮にも同じ部屋で少し過ごし、友達と呼べる人の裏切りに唯は心を痛めていた。

憂「みんな行こう。ここも時期調べられちゃう、その前に…。」

唯「うん…」

憂「(安心して…お姉ちゃんだけは何があっても助けるから!)」


19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/01(日) 23:57:45.81 ID:6nu9+FnrO(13)
小屋を出て、壁沿いに走り出す。

さすがに看守も出てきており、中庭などを獰猛なチワワを連れて走り回っている。

幸い目的地は北東側の壁沿いなのでその上手く辿り着けた。

憂「え~…と…」

純「憂何してるの?」

憂「これぐらいならいいかな。純ちゃん! これをあっち側に投げられる?」

親指サイズの石ころを純に渡す。

純「ジャンプ筋トレで鍛えた私の二等筋なら余裕よ! そりゃえぃっ!」

純は振りかぶると石ころを勢いよく上空に投げた。石ころは見事に5mの壁を越えてあちら側へ。

純「見たかぁ!」
憂「凄い純ちゃん!」
唯「……」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:03:33.50 ID:JNbETqz4O(26)
憂「お姉ちゃんどうしたの…? まだ姫子さんのこと…」

唯「違うの…姫ちゃんのことはもういいの。憂…もしかして、もしかしてだけどね? ここに残る気なの…?」

純「えぇっ!? 何いってんの!? そんなことないよね憂!?」

憂「…お姉ちゃんには敵わないや(こういう時は本当に鋭いんだよね…お姉ちゃん)」

純「えっなんでよ! 憂が残る理由なんてないじゃん! みんなで一緒に…」

憂「駄目なの…。本当は私とお姉ちゃんだけが脱獄する為に用意してきたから…二人分しかロープは来ない…」

純「そんな…でもっ!」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:09:44.31 ID:JNbETqz4O(26)
唯「私が残るよ…。元々私が起こしたことだもん、憂にこれ以上迷惑かけれないよ…」

純「何いってるんですか! 残るべきなのは私ですよ! 二人は逃げて! 元々私は来る予定の人間じゃなかったんだから…」

憂「二人とも聞いて。今は言い争ってる場合じゃないの。お姉ちゃん、私はお姉ちゃんの為にここまでしたんだよ? ここでお姉ちゃんが残ったら…私は何のためにここにいるの?」

唯「でも…っ!」

憂「純ちゃん。純ちゃんを誘ったのは私だよ? あの時から私は残るって決めてたの、いや…あの時よりもっと前…お姉ちゃんを助け出すってアイス強奪をした時から! こうしようって決めてたの」

唯「そんなの勝手過ぎるよ! 私の気持ちは…どうしたらいいの? 憂…!」


24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:14:58.77 ID:JNbETqz4O(26)
ロープが投げ下ろされる。
時間がない───

憂「お姉ちゃん。私はお姉ちゃんのこと大好きで大好きで、お姉ちゃんがこんな場所にいるってだけで死んじゃいたいぐらい胸が締め付けられるの」

唯「そんなの私だって…」

憂「ううん、違うの。お姉ちゃんには軽音部のみんながいる。私がいない分の寂しさだって埋めてくれる」

唯「そんなことないよっ! 私の心の憂の場所は…憂じゃないと埋まらないんだからぁっ!」

憂「泣かないで、お姉ちゃん。きっとまた会えるよ」ニコッ

唯「やだよ…やだよ憂っ!」

憂「純ちゃん。少ししかお話出来なかったけど、私純ちゃんの友達になれたかな?」

純「友達どころか大親友だよ…憂っ」だきっ

憂「ありがとう…純ちゃん」

憂の瞳から涙が零れ落ちる。


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:20:54.31 ID:JNbETqz4O(26)
憂「二人とも早く行って。じゃないと私のやって来たこと、意味がなくなっちゃうから」

唯「ういいいい…」

純「唯さん…行きましょう! 憂の気持ちを無駄にしちゃ駄目です…!」

純はロープを強く、しっかりと持つ。

憂「お姉ちゃん、帰ったら大好きなアイスいっぱい食べてね」

唯「アイスなんかより憂がいいよぉっ!」

憂「唯、お姉ちゃんでしょう! 私の大好きなお姉ちゃんは…! 怠けてもいつまでも駄々はこねないよ!」

唯「憂…」

憂は唯にロープを渡す。

憂「またね、お姉ちゃん」ニコッ

唯「う…」

その瞬間、力強くロープが引き上げられた────。


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:26:27.30 ID:JNbETqz4O(26)
憂「行っちゃった…。」

さてと、私は最後の仕事をしないと。

いくらサーチライトが消えて暗くなってると言っても壁の上に立って色々してたらバレちゃうかもだしね。
小屋に戻れるかわからないけど確か灯油があったはず…あれで火をつけて注意を惹こう。
逃亡のお手伝いにもなる筈だ。

見つかれば私は二度とここを出られないだろう…それでもよかった。

お姉ちゃんが無事ならそれで…。


30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:30:27.03 ID:JNbETqz4O(26)
─────

看守「────!」

看守「──!」



憂「駄目か…」

もう小屋にまで手が回っている。さて、どうやって気を惹こう。

こうなったらどこかで武器になるものでも拾って暴れようか。

しかし武器になるようなもの…

姫子『────』

憂「あっ…あれがあった」


31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:39:57.52 ID:JNbETqz4O(26)
草影に隠れながら出てきた場所、診察室に戻って来た。
広い中庭をカバーするためにほとんどが出払っているのだろう。まさか中に戻るとは思ってないのか診察室の窓は開けっ放し、辺りは伽藍洞だ。

サーチライトが未だ復旧しておらず、警察も来てないことから先輩達の計画が上手くいっていることがわかる。

診察室を一通り見た後、中に入り、武器になりそうなものを物色する。

和「あなた……」

憂「しまっ…」

ちょうど死角なっていたベッドのカーテンの中に人がいた。しかもここでは一番会いたくなかった人が…。

和「……」

憂「看守の人を呼ぶんですか…?」

和「そうね、そうしなきゃいけないわ」


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:45:30.27 ID:JNbETqz4O(26)
和「まさか本当に脱獄するなんて思わなかったわ。おとなしそうな顔してやることはやるのねあなた」

憂「……期待を裏切ったみたいですみません」

和「全くよ。私が逃がしたんじゃないかって疑われたわ。ただガムの詰めた後を見て疑いは晴れたけどね」

憂「ご迷惑をおかけしました…」

和「……。お姉ちゃんの方は逃げたの?」

憂「…はい。」

和「他に逃げたのは?」

憂「…言えません」

和「…そ。」

和は赤渕眼鏡を外し、憂の肩に手を置いた。

和「あなたは何もかも背負いすぎよ。こんな小さい肩に…そんな重たいものばかり背負ってちゃ壊れてしまうわ」

憂「…これでいいんです。私が選んだ道だから」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:50:58.92 ID:JNbETqz4O(26)
和「でもこのままじゃあなたは一生お姉ちゃんと会えることもなく一生を終えることになるわよ? こんな冷たくて寒い、獄中で」

憂「お姉ちゃんが無事なら…」

和「お姉ちゃんが無事でもね、そのお姉ちゃんはずっとずっとあなたのことで悩むわ。私のせいで…って。二人の人生はもう…壊れてるのよ」

憂「そんな…ことないっ!」

和「賭けてもいいわ。彼女はあなたと同じことをして助けようとする…か、またここに来てあなたと共に暮らす。次はもっともっと重い罪を犯してね」

憂「そんな…じゃあどうしたらよかったんですか!? 私は…私は…」

和「自分を捨てちゃ駄目。その時自分自身はなくなるわ…」



35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 00:57:42.54 ID:JNbETqz4O(26)
憂「自分を…?」

和「そう、あなたはまだ生きてる。そしてお姉ちゃんも。片方が欠けたら死ぬというなら…二人とも生きなさい! そして償いなさい、自分の犯した罪を。長い人生を賭けて…」

憂「それって…」

和「あなたは何も関係ない、熱が酷かったからここに連れてこられて寝ていた。いいわね?」

憂「えっ…」

和「あなた達みたいな姉妹みたことないわ。私はね、きっとあなた達が好きなの。一人が一人を、何よりも尊重し合うあなた達が…人間のあるべき姿だと思ったから。助けなきゃ、私が人を助けてきた意味がなくなるわ」

憂「いいん…ですか?」
憂「また…お姉ちゃんと会って…」ポロポロ

和「えぇ。あなた達はずっと一緒にいなさい。ずっと……」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:02:47.32 ID:gbpaiAD90(6)
わちゃんマジいい人



37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:03:14.56 ID:JNbETqz4O(26)
─────

姫子「ったくどこまで続いてんだよこの穴!」

もう結構歩いたのにまだ出口につかない。

姫子「つーか暗いくて見えないっての。はあ~まあ脱獄出来たらまたオシャレして玉の輿でも狙おうかな。さすがにもうあそこは飽きたや」

ドンッ

姫子「あいたっ。何よも~…行き止まり? 嘘でしょ~…?」

道を見落としたのか、姫子はため息をつきながら引き返す。

姫子「……明かり」

遠くに明かりが見える、それは段々近づいてくる。

多数の足音と共に───

姫子「唯達かな…。さっきはあんなこといって追い払っちゃったけど……やっぱり心配して来てくれたのかな」


38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:08:37.08 ID:JNbETqz4O(26)
「────!」

「───!!」



姫子「違う…唯達じゃない…」

看守にバレたの?
まさか…嘘でしょ…?

姫子「ふふ…憂って子に嵌められたかしら」

でもここで捕まったら終わりだ。何もかも終わり。

私は懐からメスを取り出し構える。隠れる場所はない。先手必勝、私は明かりに向かって駆けた。

こんな狭い道に何人も来てるわけない…!
更に同士討ちを怖がって銃は使い難いはず。
内側に入り込んでメスで…!

看守「お、おい!」
看守「うわっ!」

姫子「やああああああああっ」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:13:56.99 ID:JNbETqz4O(26)
パァンッ────

姫子「えっ…」

看守「」ガクガク

メスを持って突撃してきた姫子を恐れ、発砲。
それは見事に姫子の左胸を射貫き、暗闇の洞窟に鮮血を散らした。

ドサッ…

姫子「ごふっ」

思わず沸き出るモノを吐き出すと口いっぱいに血の味が溢れた。

姫子「あ…う…」

上手く喋れない、呼吸が出来ない。きっと肺を撃たれたのだろう。

姫子「(こんなあっさり終わっちゃうなんてね…私の人生)」
姫子「(人を使う為だけに近寄って…本当の友達なんて…私にいたのかな)」
姫子「(唯…暖かかったな……ごめんね…唯。ごめんね…ゆ…い…)」

────────


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:19:16.38 ID:JNbETqz4O(26)
─────

私は憂の書いた字を眺めながら何時間もこうしていた。
アイスはすっかり溶け、辺りは霜が溶けて水浸しになっている。

あの事件の詳細は詳しく知らない。澪ちゃんが話してくれたけどまともに聞けなかった。

唯「憂……ういっ!」

紙を抱くようにして、ただひたすら泣いた。
神様、お願いします。私はどうなっても構いません…!
アイスも二度と食べません!
だから憂を…憂を…

唯「憂を返してください…!」



「お姉ちゃん…」



───憂の、声がした。


42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:22:12.64 ID:JNbETqz4O(26)
幻聴だろうか。
私は辺りを見渡すと……そこに憂を見つけた。

憂「こんなに部屋汚して…。全くお姉ちゃんは」

唯「憂……?」

憂「…憂だよ」

唯「本当に…?」

憂「本当に」

唯「消えない…?」

憂「消えないよ」ニコッ

唯「憂……、憂っ!!!!!!!!」

私は無我夢中で憂に抱きついた。


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:25:42.53 ID:JNbETqz4O(26)
唯「ほんとに憂だよね! りっちゃんとかの変装じゃないよね!?」

憂「むっ! お姉ちゃんは律さんと私を間違えるの?」

唯「……」ジーッ

憂「///」←見られて照れてる

唯「憂だっ! 間違いないよぉ!!! 憂いいいいいいいい」

憂「お姉ちゃん苦しいよぉ」

二人とも涙を流しながら抱き合う。
お互いの名前を何度も何度も呼び合い、そしてまた抱きしめる。
まるで自分の片身を体に戻すかのように抱き合った。


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:30:20.40 ID:JNbETqz4O(26)
─────

憂「和さんに…助けてもらったの。あの後私は熱で寝ていたってことになって…普通に独房に戻ったの」

唯「そうだったんだ…でもそれじゃあ…」

憂「うん…刑は執行されたよ。だからもう…アイスは二度と食べられないの…」

唯「憂……」

憂「大丈夫、私にはもっと大好きなお姉ちゃんがいるもん」

唯「憂…。あっ! そうだ! ちょっと待っててね憂!」

憂「?」


──────


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:35:45.55 ID:JNbETqz4O(26)
────

律「もう二度とあんなことしちゃダメだぞ?」

女の子「ごめんなさ~い…」ポロポロ

律「わかってくれたらいいんだ。ほら行きな、お母さんが心配してるよ」

女の子「うん…」

トットットッ

律「結局真相はこんな呆気ないもんだったんだな…」

澪「ああ…。唯はアイスを当たり棒で交換しようとしてコンビニのレジに棒を置いた。それをあの子が落ちてると勘違いして持ってっいってしまった…。」

律「あぁ。こんな些細なことで…世界はこんなにも揺れるんだな」

澪「けどあの子を責めたって戻って来ないし罪は消えない。あの二人は一生をかけて罪を償っていくんだろうな…」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:37:59.35 ID:JNbETqz4O(26)
律「唯達なら大丈夫さ、あの二人なら…」

澪「そうだな。なんたって世界一の姉妹だもんな」

律「だな。これからどうする? アイスでも食べるか?」ニヤニヤ

澪「もうアイスはこりごりだよ~」


───────


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:40:25.62 ID:JNbETqz4O(26)
紬「ばってん今日のお菓子のできばえはよかとよ?」

斎藤「どんこええできやなぁ! うまっちょうまっちょ」

紬父「なにやってるんだお前達…」

斎藤「はっ! あ、あの…」

紬父「わっちも混ぜんかいな!」

斎藤「なんとっ!?」

紬「おっとんも一緒にお菓子食べんよ食べんよ~♪」

───────
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:42:10.12 ID:QZqEQ+VNP(4)
ムギがwwww



51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:45:02.36 ID:JNbETqz4O(26)
────

梓「えっ…二階のトイレはよしと」

掃除係「もう仕事には慣れたかい?」

梓「はいっ! おかげさまで!」

掃除係「でも驚いたわぁ。短期の契約だったのにまさか続けてくれるなんて。ここ人がなかなか入らないから助かるわぁ」

梓「確かに怖いこともあるけど…ここにいるみんなも色々な理由があるんだなって。人の味方が変わった気がします、ここに来て」

掃除係「そうかぇ。あっ、診察室の電球代えといてくれんかねぇ」

梓「はいですっ! 行ってきます!」

掃除係「ほんとよう働く子やねぇ」


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:48:17.79 ID:JNbETqz4O(26)
コンコン

和「はい、どうぞ」

梓「電球代えに来ました!」

和「助かるわ。ありがとう」

梓「はい! じゃあ早速!」

梓「よいしょっ! よいしょっ!」キュッキュッ

梓「おしまいと!」

梓「じゃあ次の仕事があるので!」

和「えぇ、ご苦労様。あっ、もうガムなんて詰めないでね?」

梓「にゃっ!(バレてた…?)」

和「あの姉妹に会ったらよろしく言っといてね」

梓「はい…です」


53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 01:53:21.86 ID:JNbETqz4O(26)
────

男の子A「はははっ! やっぱジャンプ面白っ」
男の子B「ばっかマガジンのが面白いだろJK」


純「こらああああー!」

男の子A「やべっ! 逃げろ!」
男の子B「うわ~!」

純「立ち読みはダメなんだからねーッ!」

純「全く…現行犯でしか捕まらないと思って…!」

純「あ~本ぐしゃぐしゃにして~もう~…」

純「さてと…お客さんもいなくなったし」

純はレジの椅子に座ると分厚い本を読み始めた。

純「後4990冊か~…先は長いや」


54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 02:00:30.34 ID:JNbETqz4O(26)
─────

唯「ほら出来たよっ!」

憂「えっと……これ…かき氷?」

唯「そう! かき氷! これならアイスじゃないから食べられるでしょ!?」

憂「…うんっ! ありがとうお姉ちゃん♪」

唯「えへへ~///」

唯「どれだけ好きな食べ物でも、やっぱり一人じゃ美味しくないよね。
逆に隣に好きな人がいればなんだって美味しくなるんだって気づいたよ!」

私達忘れない、忘れられない、あの獄中での出来事。
罪は確かにこの胸に刻まれているのだから

でも────

憂「そうだね。お姉ちゃんと一緒なら、なんだって幸せだよ」

唯「ずっと一緒だよ、憂」

憂「うんっ!」

二人なら、きっと大丈夫

おしまい

58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 10/08/02(月) 02:06:24.42 ID:QZqEQ+VNP(4)
乙、ほんと面白かった、プリズンブレイク見てみるよ
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