ぺろぺろ速報

主にけいおん!関連のSS・VIP・声優・アニメetc.. 個人的に好きなものまとめ。

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澪「唯、今日のエサだよ。」唯「澪ちゃん・・・これ、ゲロだよね?」【後編】

【閲覧注意】グロシーンありです

343 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:06:30.87 ID:B8WgX64e0
昨日より少ないけど
500位きりのいいところまで書けたので投下します。



梓は携帯を軽音部の部室に忘れたことを思い出し、引き返していた。
部室の前まで来ると、中からすすり泣く声が聞こえる。

梓「・・・唯先輩・・・?」

そっと扉を開ける。

唯は窓の下に座り込み
両手で顔を覆い、肩を震わせて泣いていた。

梓は酷く狼狽した。
唯のこんな姿を見るのは初めてだ。

こんな唯先輩は──厭だ。

梓は唯に駆け寄り声を掛ける。

梓「どうしたんですか?唯先輩。」

344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:08:01.46 ID:B8WgX64e0
そっと肩を抱き慰めるが
一向に泣き止まない。

梓は鞄から、ハンカチを取り出し唯に手渡すと
暫く様子を見ることにした。

──和先輩のことだろうか?
和が亡くなったと伝えられたときは
唯は酷く落ち込んでいた。
それでも、一緒に参列した葬儀・告別式で唯が涙を見せる事は無かった。
梓は、強い人だなと思ったくらいだ。

しかし、あれから二週間は経っている。
今になって、悲しみが込み上げることがあるのだろうか。
梓には判らなかった。

本人に聞くにしても、抜け殻のようになってしまった唯に
和の話をすれば、壊れてしまうのではないかと
梓達軽音部の仲間は心配して、一切話題を出さないように気を配った。

ニュースや新聞でも取り上げられたが
その情報も意識的に遠ざけていたし
全校集会でも梓は唯を心配して、二人部室でお茶をして過した。

346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:10:44.63 ID:B8WgX64e0
それでも、周りからは様々な情報が洩れ聞こえてくる。
(自殺なんだって?)
(川原で首吊りよ。)
(なにかあったのかしら・・・?)
(でも、不自然な死に方だったみたい)
(えっ?やだ、それって殺人とか・・・?)
(馬鹿ね。週刊誌が騒いでるだけよ)
(警察も自殺だって)
(事件かも知れないって、会見で言ってなかった?)

暫くして、和に関する報道はぴたりと止んだ。
梓は、気にする事はしなかった。
正直ほっとしていたのだ。
そして、少しずつ日常は戻っていった。

──唯先輩を除いて。

348 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:15:08.95 ID:B8WgX64e0
唯「あず・・・にゃん・・・」

唯は泣きはらした顔を梓に向ける。

梓「何ですか?唯先輩。」

梓は優しく語り掛ける。

唯「寂しいよぉ・・・あずにゃん・・・」

そう言うとまた涙を流した。

梓「わたしが付いていますから、安心してください。」

慰める言葉は散々言い尽くした。もう、掛ける言葉も無い。
梓はそっと唯の頭を撫でる。

唯は、声を上げて泣き出した。

梓「ごっごめんなさい。その・・・」

梓は酷く慌てる。

350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:16:41.75 ID:B8WgX64e0
見ていて辛かった。
梓は唯の微笑む顔が見たかった。
眩しいくらいの笑顔に何度励まされたことだろう。
唯ほど笑顔の似合う人間を梓は他に知らない。

唯の悲しい姿を見ているだけで、胸が痛む。
息が苦しい。
目頭が熱くなってくる。
気づいたときには、梓は泣いていた。

唯「あずにゃん・・・泣いてるの?」

梓「だって・・・だって・・・唯先輩が、辛そうにしてるのが・・・耐えられなくて」

唯「ごめんね、あずにゃん」

唯は泣きながら梓に謝罪の言葉を漏らす。

梓「謝らないでください。私、唯先輩が笑ってる顔が好きなんです。」

だから──泣かないでください。

351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:17:41.76 ID:B8WgX64e0
唯は漸く泣き止むと、梓に抱きついて甘えてきた。

唯が震えているのを梓は体で感じる。

何がこんなにも唯先輩を怯えさせているのか
梓はその時から考え始めるようになっていた。


354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:20:47.68 ID:B8WgX64e0
次の日、梓は憂に話聞いてみることにした。

梓「あの様子は絶対おかしいよ。」

憂「お姉ちゃんが、そんなに・・・?」

既に憂の目には涙が浮かんでいた。

梓「憂は何かしらないの?」

憂「ごめんなさい。」

それだけ言うと憂は俯く。

梓「何か知ってるなら教えて。憂も唯先輩が心配なんでしょ?」

憂は、ごめんなさいともう一度漏らす。

356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:23:52.91 ID:B8WgX64e0
梓「・・・このままで、本当にいいと思ってるの?」

憂「だって・・・だってお姉ちゃん。私が何を聞いても、答えてくれなくて。」

憂は涙ながらに話始める。

憂「ずっと様子が変だったの。ご飯もあんまり食べないし・・・」

憂「私といて笑ってても、あんまり楽しそうじゃないみたいだし」

憂「悩み事でもあるのかと思って聞くと、何も聞かないでって。」

憂「私も本当にお姉ちゃんのこと心配で、必死に話してくれるように頼んでもみたよ」

憂「そしたら、そしたらお姉ちゃん急に泣き出して・・・お願いだから何も聞かないでって」

憂「そんなお姉ちゃん見てたら何も言えなくて、誰かに相談したかったけど・・・」

憂「この事は誰にも言わないでって、何度も何度も・・・」

憂「私に頭下げて必死にお願いするんだよ?」

憂「それに、和先輩が亡くなってから・・・お姉ちゃん、私とほとんど口も利いてくれなくなって。」

憂「私っどうしたいいのかっ・・・」

憂はそこで声を詰まらせ咽び無いた。

梓は憂の様子に言葉を失った。
肉親である妹にでさえ、何も言えずに・・・私なんかじゃ
梓は自分なら唯の支えになれると、今まではそう思っていた。
しかし、これではどうしようもないではないか。

憂「私がこんなこと梓ちゃんに話したってわかったら・・・もう・・・」

梓「ごめんね・・・何も聞かなかったから・・・何も聞いてないから・・・」

それ以来、憂とは唯について話をする事は無くなった。

360 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:30:26.65 ID:B8WgX64e0
梓は誰もいない軽音部の部室で考えていた。
唯先輩の身に何があったのか。
憂の話からすると、相当怯えているようだ。
──何に?
誰にも相談できないのは、唯先輩の身に危険が及ぶからだろうか。
それとも、憂や軽音部の皆に・・・?

ふと、和先輩のことを思い出す。
いや相談したのだ──和先輩に
そして和先輩は──

はっとして梓はその考えを振り払う。
飛躍のしすぎだ。
私は、唯先輩と和先輩の死を無理やりに結び付けようとしている。

だいたい誰がそんなことを・・・。


364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:35:09.24 ID:B8WgX64e0
その時、扉が開いて律先輩とムギ先輩が部室に入ってきた。

律「よっ。早いな梓。」

紬「こんにちわ。梓ちゃん。」

梓「こんにちわ。」

紬「今、お茶いれますね。」

梓「はい。ありがとうとざいます。」

律「ん?どうした、何か悩み事か?」

律は梓の顔を覗き込んで言った。

梓「いえ・・・」

梓は先輩達に相談してみようかと考える。
しかし、憂のことを思うと口を噤まずにはいられなかった。

少し考えて和のことを口にする。

梓「あの、和先輩のことなんですけど。」

365 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:36:47.11 ID:B8WgX64e0
部室の空気が重くなる。
律は、表情を曇らせて言う。

律「あのな、梓。その事はもう口にしないって約束しただろ・・・」

紬「そうよ、梓ちゃん。もう、済んだことなんだし。」

梓「でも・・・」

律「梓ッ!」

律の怒鳴り声に梓はひっと声を漏らす。

律「唯がいまどんだけ辛いか判らないのか?」

律「他の奴らは唯に無神経なこと聞いてくることもあるけど、私達だけは唯を支えてあげようって」

律「そう、みんなで約束したじゃないかっ」

紬「りっちゃん・・・」

紬が律に声を掛けると、律は悪いとだけ言って椅子に腰掛けた。

梓「ごめんなさい。」

梓は沈黙し、部室は張り詰めた空気に覆われた。
誰も一言も発しなかった。

368 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:47:28.36 ID:B8WgX64e0
部室の扉が開く音が聞こえた。

唯「みんな、ごめん遅くなっちゃった。」

唯を顔を見せると、みんなほっとした表情を見せる。

律「おうっ、日直ご苦労!」

紬「おつかれさまでした。」

二人は、明るく唯に話しかけた。
律は梓を睨み付け釘を刺す。
もちろん、梓は何か言うつもりは無かった。

唯「あれ?澪ちゃんは?」

律「そういえば先生に呼ばれて職員室に行ったな。」

唯「そう・・・」

寂しそうな表情を見せる。

梓は何か言葉を掛けたかったが、思いつかなかった。

370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:50:53.96 ID:B8WgX64e0
再度部室の扉が開くと、澪が入ってきた。

澪「ごめん、遅れた。」

唯「澪ちゃん」

唯はそう言うと澪に抱きつく。

澪「ははっ、なんだよ唯。」

紬「唯ちゃんは寂しがりやさんなのね。」

律「お前らホントに仲いいよなー。」

律は乾いた声で言った。

梓は、その光景を見て寂しさを感じていた。
溜め息をつき、目を伏せる。

嫉妬、なのだろうか。
自分では良くわからなかった。
いや、わかっていても気づかないようにしていた。

──私は唯先輩が好きだ。
その感情は常に梓の心の中にあった。

372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:54:10.29 ID:B8WgX64e0
暫くお茶とお菓子を食べ和やかに過す。

澪「そろそろ、始めるか。」

律「え~。明日にしようぜ~。」

何時もなら、律に倣って唯も怠けようとするが
最近では、積極的に練習を始めようとする。

唯「りっちゃん。やろうよ。」

律「あ、あぁ・・・そうだな。」

律は調子を崩してしまう。
よし、始めるかと言って重い腰を上げる。

梓は唯の演奏を聞きながら思う。
最近の唯先輩のギターは、はっきり言って上手い。
コードを忘れるようなドジはしないし、リズムも完璧だ。
以前よりも集中して演奏している。
まるで、今の唯先輩にはギターを演奏することしか残されていないような──
そんな必死さを感じる。

373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:56:08.16 ID:B8WgX64e0
練習を終え、片づけをして梓は部室を出る。

梓「それではみなさん、失礼します。」

頭を下げて扉を閉める。

梓は一階の昇降口まで来ると、また自分が携帯を部室に忘れたことに気が付いた。
梓は自分にあきれて溜め息をつく。

梓「はぁ、なにやってんだろ。」

そう、独り言ちた。

急いで部室に戻る。
部室から澪先輩と律先輩の話し声が聞こえた。
くすくすと笑う澪先輩に、下卑た笑い声を発する律先輩。
暫く、耳を欹てていたが
自分が悪いことをしているようで、変な後ろめたさを感じた。
躊躇いがちに扉を開け、失礼しますと声を掛けた。

二人は驚いた表情を見せ、澪は鞄を床に落とした。

375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/29(水) 23:59:36.66 ID:B8WgX64e0
律「なっ、なんだ梓か」

律は慌てた様子で言う。

律「じゃ、じゃぁまた明日なっ。」

そう言って、急ぐように部室を後にした。

梓「ご、ごめんなさい。あの、携帯を忘れてしまって・・・」

澪「そ、そうか・・・あっ私も帰るから。」

澪はそういうと部室の鍵を梓に渡すと、逃げるように部室を去った。

──なんだったんだろう?
何か話をしていたようだったが、会話の内容は聞こえなかった。
私に聞かれると困るようなことでも話していたのだろうか。

梓は、携帯を見つけると鞄に仕舞った。
部室を出る前に、何の気なしに部室を見回した。
机の下に黒く光る物体が見えた。

377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:01:52.08 ID:XibG4hpW0
梓「なんだろう?」

屈んで机の下を覗き込む。

──テープ?

梓はそれを拾い上げる。
カセットテープよりも少し小ぶりだ。
家庭用のビデオカメラのテープだと判ると
内にも古いカメラがあったかな、などと考えていた。

多分、澪先輩が落としたものだろう。
ラベルが無いが、きっとバンドの演奏でも撮ってあるのだろう。
そう思うと、少しくらい中身を見ても大丈夫だろうと罪悪感は沸かなかった。


家に帰ると梓はベッドに横になり、今日部室で拾ったテープを眺めていた。
勝手に見るのは悪いよね。
今になって、その考えが頭を擡げる。

そうは思っていても既に梓の部屋のテーブルの上には
押入れから出してきたビデオカメラが置いてあった。

379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:03:44.20 ID:XibG4hpW0
律先輩の笑い声を思い出す。
酷く気持ちの悪い笑い声だった気がする。

──このテープに

二人の慌てよう。
これが原因か?

──いったい何が?

少し胸の鼓動が早くなるのを感じる。
悩んでいても仕方ない。

──見ちゃおう。

梓は、ビデオカメラをテレビに繋げる。
テープをビデオにセットすると
躊躇いがちに再生ボタンを押した。

381 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:04:58.30 ID:XibG4hpW0
テレビに映る映像を見て梓は驚愕した。

梓「えっ!?ゆ、唯・・・先輩・・・?」

そこには、全裸で椅子に腰掛ける唯の姿があった。
体中には生々しい傷がある。
思わず画面から目を逸らした。

唯(澪ちゃん・・・怖い・・・)

その言葉にさらに衝撃を受ける。
どういうことなのか、思考が追いつかない。

澪(今日は、どうしよっか)

澪先輩の声だ。
何が始まるのか、息を呑んで待った。

澪(唯、左腕上げて?)

画面の中の唯がゆっくりと左腕を上げる。
澪の姿が画面に映りこむ
左手に何かを摘んで持っている。

382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:07:11.90 ID:XibG4hpW0
澪は画面に向かってそれを見せ付ける。
──釣り針だった。
釣り糸を通した釣り針を手にしていた。

澪は右手で脇の下辺りの皮膚を摘み上げると、
左手に持った釣り針を摘み上げた皮膚に通す。

唯(ひっ、痛いっ・・・)

梓は思わず口に手をあてた。

梓「酷い・・・なんで、どうして。」

澪は糸を最後まで通すと、今度はそのすぐ下の皮膚を摘み上げ
針を通した。

唯(うっ・・・んんっ・・・)

くぐもったな声を漏らす。
澪は、荒い呼吸を繰り返しながら
合間合間に、ははっと笑い声を漏らす。

385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:10:51.96 ID:XibG4hpW0
澪は、唯の体の下へ下へと針と糸を通していく
その度に唯は悲痛な声を上げ、澪は醜く笑う。

唯(痛い・・・痛いよ、澪ちゃん)

澪(あぁ、唯は可愛いよ。)

唯(澪ちゃん、澪ちゃん)

澪(唯っ、唯ッ)

背筋が凍るような思いで梓はそれを見ていた。
梓は涙を流し、嗚咽を漏らす。
恐怖に体を震わせた。

梓「唯先輩・・・」

ビデオを止めたかった。
こんなもの、早く消してしまいたかった。
それでも、私が見るのをやめたところで
唯先輩の傷が癒えるわけではない、そう思った。

386 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:14:18.63 ID:XibG4hpW0
これで、はっきりした。
唯先輩が怯えていた訳を。
そう、唯先輩は澪先輩に酷い仕打ちを受けて
こんな姿をビデオに写され
きっと澪先輩に脅されていたのだ。
しゃべったらばら撒くとでも言ったのだろう。
それで唯先輩は、誰にも言えず・・・。

梓は自分の中に正義感が溢れてくるのを感じる。

梓「絶対助けてあげますからね。唯先輩。」

画面に映る澪は、丁度唯の腰の辺りまで糸を通し終えると
唯に向かって微笑んだ。

澪(唯、痛い?嬉しい?)

唯(うん、痛いけど嬉しいよ。)

澪(唯、愛してる。)

唯(私もだよ澪ちゃん。愛してる。)

嘘だ、と梓は思った。
唯先輩は言わされてるだけだ。
こんなことをされて嬉しい訳が無い。
きっと今まで酷い仕打ちを繰り返されてきたのだろう。
澪先輩は狂ってる。
激しい怒りの感情が湧き上がる。

390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:17:02.57 ID:XibG4hpW0
澪は唯とキスを交わす。

梓は思わず叫びそうになった。
歯を食いしばる。

澪は鋏を取り出し糸を切り釣り針を外す。
余った糸を左手に絡めるように巻いていく。

唯(澪ちゃん澪ちゃん澪ちゃん澪ちゃん澪ちゃん澪ちゃん澪ちゃん澪ちゃん澪ちゃん澪ちゃん)

唯は延々と澪の名を呼び続ける。

澪は糸を充分に巻いたあと、
最後に糸を通した唯の腰の辺りに左手を密着させた。

勢い良く左腕を真上に振り上げる。

皮膚の裂ける音と唯の絶叫がこだました。

唯(ぎぃぎゃぁあああっ!!あああぁぁっ・・・)

梓は思わず耳を塞ぐ。
怖くて逃げ出したい衝動にも駆られた。
こんなあまりにも異常な光景は夢だと思いたい。
それでも画面には唯先輩の苦しむ姿が映し続けられていた。

391 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:17:41.56 ID:LUpxEIH+O
想像力豊かな俺は頭にくっきりイメージが浮かんで目茶苦茶キツイです

396 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:22:13.07 ID:XibG4hpW0
唯の脇の下から腰の辺りにかけて赤い線が滲む。
次第に線は太くなりどくどくと脈打ちながら滴り落ちた。

澪はその様子を暫く眺めた後
膝を付いて、唯から流れ出したその液体を啜り上げる。

唯(澪ちゃん・・・澪ちゃん・・・)

唯は繰り返す。

澪は、何十分と唯の傷口に舌を這わせていたが、
満足すると、立ち上がりカメラの前までくる。
そこで、録画は終わっていた。

梓は見終わると体から力が抜けていくのを感じる。
急に吐き気を覚え部屋を駆け出してトイレへ向かった。

397 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:23:33.61 ID:i9LILx1P0
ひぃぃ


403 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 00:27:17.77 ID:XibG4hpW0
最悪な気分だ。
梓は何度も吐いた。
それでも、気分が落ち着く事は無かった。

その後、暫くトイレに篭って泣いていた。
ビデオの内容は恐ろしく酷いものだった。
澪先輩があんなことを・・・。
それに唯先輩も・・・。

ビデオに映った唯の表情を梓は思い起こす。

泣き笑いのような顔。
苦痛にゆがむ顔。
その後に見せた──幸せそうな笑顔・・・。

ありえないっ。
唯先輩がそんなことを望んでいる訳が無い。
きっと澪先輩が脅しているんだ。

梓はこのとき警察へ届け出る事は考えていなかった。
唯を助けたいと思う心とは裏腹に
澪への怒りの感情の方が大きかった。

──償わせてやる。
梓は強く心に刻んだ。

440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 04:58:57.22 ID:XNE/2M7RO
憂は…憂は大丈夫だよな…?

460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 11:00:29.27 ID:b3EC9hin0
憂選手の無双はまだですか?


502 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:17:40.02 ID:XibG4hpW0
部屋に戻ると、梓は考えを整理する。

そういえば、何時の頃からか唯先輩は澪先輩と帰る事が多くなっていた。
少し嫉妬していたものの特に気には留めていなかった。
もしかしたら、あのときから。

それから、今日の澪先輩と律先輩の様子。
きっと律先輩も知っているのだろう。
部室で澪先輩は律先輩にテープを渡していたのだ。

こんな物がいくつもあるなんて想像したくも無かったが
きっと、何度も唯先輩を傷つけてはその様子を写し
二人して楽しんでいたのだ。

冷静になって考えていると一つの大きな疑問が浮かんだ。
澪先輩は怖いことや痛いことが苦手だったはずだ。
血を見るのでさえ嫌がっていたし
況してや、あんな酷いことを好んでするだろうか。

──律先輩が何かしたのだろうか?

考えても馬鹿馬鹿しい想像しか浮かばない。
一旦その考えを頭の隅に追いやる。

504 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:18:34.80 ID:XibG4hpW0
今は、唯先輩と澪先輩のことだ。

どうするべきか、必死で考える。

兎に角、澪先輩から唯先輩を引き離そう。
私が澪先輩から唯先輩との時間を奪ってしまえばいいんだ。
そうしてしまえばきっと澪先輩の方からボロを出す。
そして澪先輩が私に牙を剥いた時には・・・。

梓は立ち上がり、机の引き出しを開ける。
カッターナイフを取り出すと制服の内ポケットにそっと忍ばせた。

505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:19:24.16 ID:XibG4hpW0
翌日軽音部の部室で
梓は澪に昨日拾ったビデオテープを差し出す。

澪「梓・・・これは・・・?」

澪の驚く表情を見て梓は心の中で笑った。

梓「昨日部室で拾ったんです。追いかけて渡そうとしたんですけど。」

澪「そ、そうか・・・これ見たのか?」

梓は少し間を置き、澪の怯える表情を見ていた。

何に怯えているのか──警察に捕まるのを恐れているのだろう。
誰にも言いませんよ──つい口に出しそうになる。
これを弱みに澪先輩に唯先輩が受けた苦痛の半分でも味わってもらうか
などと考えていたが、犯罪者になるのはごめんだと思った。

──犯罪者はお前だけで十分だ。

梓「いえ、私の家は父が家電オタクで、BDとかHDに記録するやつしか持ってないんです。」

澪「なんだ、そうなのか。」

澪はそう言うと、ほっと胸を撫で下ろす。

507 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:21:19.81 ID:XibG4hpW0
梓「何が写ってるんです?」

澪「あ、あぁ・・・ひみつだ。」

澪は何故か顔を赤らめて言う。
梓は怒りが込み上げてくるのを感じた。

梓「恥ずかしいような事でも写ってるんですか?」

澪「まぁ、その・・・かわいい・・・ものとか、かな。」

かわいい?あれが?
唯先輩が苦痛に歪む姿をかわいいと言うのか。

梓は拳を握り締め澪に殴りかかりそうになるが、
歯を食いしばって耐えた。

梓「そ、そうですか。」

梓は紅茶を一口すすって、気持ちを落ち着ける。

澪先輩は本当に狂ってしまったのだろうか
学校では何時も通り、周りには優しく振舞っているのに
何が澪先輩を変えてしまったのだろう。
兎に角今は昨日考えたことを実行するまでだ。

508 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:22:40.50 ID:XibG4hpW0
みんなが集まり、何時も通りお茶とお菓子を食べる。
練習を終えると梓は唯に向かって言う。

梓「唯先輩、偶には一緒に帰りませんか?」

唯「えっ?う、うん・・・」

梓「私と帰るの嫌、ですか?」

唯「そんなこと無いよ。あずにゃん大好きだよ。」

面と向かって言われると少し照れる。
澪先輩が何か言うかと思っていたが、何も言わなかった。
自分のものに出来たとでも思っているのだろうか
鎖を離れる事は無いと、そんな自信でもあるのか。
益々澪先輩への怒りが沸いてくる。

梓「私、いいお店見つけたんです。」

唯「そうなの?行きたい行きたい。」

そんな唯の笑顔に梓も微笑をかえす。

510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:25:11.70 ID:XibG4hpW0
それから二人でアイスを食べて
お気に入りの店で紅茶とケーキを食べた。

その後、一緒に洋服を見たり
雑貨屋でお揃いのストラップを買ったりした。

ゲームセンターでクレーンゲームをやってみたり
プリクラも一緒に撮った。

二人で過す時間はあまりに短かった。
もっと唯先輩と一緒にいたい。
唯先輩はどう思っているのだろうか、少し不安になる。

梓「なんか、デートみたいでしたね。」

唯は何も言わなかった。
梓は急に自分の言った台詞が恥ずかしくなり
変なこと言いましたねと照れ笑いを浮かべる。

唯「・・・ひさしぶりだなぁ・・・」

梓「何が、です?」

唯「・・・楽しかった。」

梓「また、誘ってもいいですか?」

唯「うん。」

唯は頷くと梓に抱きついてきた。
511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:26:52.51 ID:XibG4hpW0
唯「あずにゃん、大好き。」

梓は顔に火照りを感じる。
梓も唯をぎこちない動作でそっと抱く。

梓「私も、唯先輩が大好きです。」

告白のつもりだった。
きっと唯先輩はそう思わないだろう。
私の好きは唯先輩のとは違う好きなのだ。
それでも、好きと伝えられたことに満足していた。

次の日も梓は唯を誘った。
澪は何も言わなかった。
律はラブラブですねぇなどと囃し立てたが
澪はホントだなぁとだけ面白くなさそうに言った。

512 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:27:46.73 ID:XibG4hpW0
その日は、一緒に川辺を歩いた。
肩を寄せ合い、ふわふわ時間を一緒に口遊む。

~~キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI

~~揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ

~~いつもがんばるキミの横顔

~~ずっと見てても気づかないよね

~~夢の中なら二人の距離縮められるのにな

~~あぁカミサマお願い

──どうか、唯先輩を助けてあげてください。
──どうか、唯先輩の傷を癒してあげてください。
──どうか、唯先輩にあの頃の笑顔を返してあげてください。
──どうか、幸せだったあの頃に唯先輩を連れて行ってください。

513 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:29:02.58 ID:XibG4hpW0
唯先輩の横顔を見る。
楽しそうだった。
それでもあの日の笑顔とは随分違って見えた。
きっとあの頃にはもう、戻れないだろう。
和先輩のこともある。
死んだ人は生き返らない。

失くしたものはいつかまた見つけることも出来る。
しかし、壊れたものは完全には戻らない。

唯先輩の日常はとっくに壊れていたのだ。
私が気づかない間に、少しずつ、崩壊していった。
今更私が何かしたところで、唯先輩は何を取り戻せるのか
失うものが大きいことは、私にも十二分に理解できた。

それでも、このまま唯先輩が澪先輩に陵辱されるのを
ただ、黙って見ている訳にはいかなかった。

焦ることは無い、こうして唯先輩と一緒にいる時間が長ければ
その分、澪先輩に与える時間は短くなる。
そう、自分に言い聞かせた。

523 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 20:58:03.41 ID:xIIysIcD0
ふと唯は足を止める。

唯「あずにゃん、あそこ。」

唯の指差す先には橋があった。
そこは和が首を吊っていた場所だということに梓は暫く気がつけないでいた。

唯「和ちゃん、あそこで死んじゃってたんだよ。」

梓は唯の言葉で漸く理解した。

梓「ご、ごめんなさい、私・・・。回り道しましょう、唯先輩。」

梓が言うと唯は首を振る。

唯「ううん、いいの。」

そう言って橋に足を向けて歩いていった。
梓もそれを追う。

橋の袂まで来ると唯は手を合わせる。
梓も倣って手を合わせた。

524 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:00:16.33 ID:xIIysIcD0
ちらと供えられた花が梓の目に入る。

梓「お花、持ってくれば良かったですね。」

唯は首を横に振る。

唯「和ちゃんは此処には居ないから・・・」

梓「でも、手は合わせるんですね。」

唯「何処でもいいんだよ。和ちゃんは何時も私のそばに居るような気がするから。」

唯「街中や学校でしたら、みんなおかしいと思うでしょ?」

梓「そうですね、お墓も遠いですし。」

唯「うん。だから、今此処でしておくんだよ。」

梓は躊躇いがちに口を開く。

梓「・・・なにを伝えたんですか?」

唯「ありがとう。大好きだよって。」

梓「先輩らしいです。」

525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:02:08.36 ID:xIIysIcD0
唯「そうかな?」

梓「そうですよ、昨日だって私に大好きだよって──」

唯「その好きは違う好きだよ。」

梓の胸は高鳴った。
どういう意味だろう。
違う好き、昨日の自分も同じようなことを思っていた。

梓「そ、それって唯先輩は和先輩を・・・その、愛していたってことですか?」

梓は自分の意に反したことを言う。
正直に言って自分の思い上がりだと知るのが怖かったのだ。

唯「和ちゃんは大切な親友だよ。」

梓「じゃ、じゃぁ・・・」

唯は梓に体を向ける。
雲の隙間から覗く西日が
唯の顔を鮮やかに照らしだす。

本当に、眩しいほどの笑顔だった。

526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:03:33.48 ID:s8MWhdyt0
>私のそばに居るような気がするから

なんか吐き気が・・

527 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:04:13.77 ID:xIIysIcD0
唯はそっと梓に顔を寄せ
──優しいキスをした。

唇が触れ合う。
唯先輩の唇は、とても柔らかかった。
ファーストキスは最愛の人と交わすことができた。
その幸福感で胸の中がいっぱいになる。

頬を伝う涙が温かい。
今まで流した涙とは違う涙だった。
嬉しくても涙はでるんだ、そんなことを思った。

唯は梓から唇を離し、耳元で囁く。

唯「あずにゃんは──私を好きでいてくれるだけでいいから。」

梓にはどういう意味かはわからなかった。
自分の気持ちを伝えることでそれに応える。

梓「はい、好きです、大好きです。ずっと好きでいますから。」

唯「ありがとう。あずにゃん。」

唯の笑顔が梓の心に染み入る。

529 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:06:16.90 ID:xIIysIcD0
唯先輩の笑顔だけは必ず守って見せます──強く心に誓った。
これから自分がすることで、唯先輩が失ってしまうもの
その穴を埋められるほどのものを、私は持っているのだろうか。
唯先輩の望む答えが欲しかった。
助けてと一言言って欲しかった。
そうすれば、今すぐにでも救い上げることができるのに──

梓は唯を家に送り届けて帰宅した。

何事も無く二日間を過すことができ
梓はほっとしていた。

明日こそ、澪先輩は耐え切れなくなり私に苦言を呈するだろう。
そしたら問い詰めてやればいい──唯先輩との関係を。
恋人同士などと言うのであれば、ビデオテープのことを話す。
澪先輩が唯先輩に何をしてきたのか、あれが恋人同士のすることなのか。
唯先輩の本当の気持ちを聞いて、私の気持ちを澪先輩の目の前で伝える。
それを聞いた澪先輩が怒り狂って我を忘れてしまえば私の勝ちだ。
その後は私に殴りかかるなりすればいい。
一発ぐらいなら気持ちよく殴られてやる。
そして──

梓は制服に忍ばせたカッターナイフに触れる。

531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:08:15.98 ID:xIIysIcD0
梓「正当防衛になるよね・・・」

不敵な笑みを浮かべて呟いた。

澪先輩に痛みをわからせてやろう。
散々な目に遭わせて、
もう二度と唯先輩に手出しできないようにしてやる。
澪先輩の罪をその顔に刻んで
鏡で自分の顔を見るたびに思い出させてやりたい。
澪先輩のしてきた行いを。


翌日も同じように梓は唯を誘う。
唯は笑顔で頷く。
澪は何も言わなかった。

──おかしい。
唯先輩と澪先輩は毎日ではないが、一緒に帰ることが常だった。
どちらかがどちらかを誘うといった感じではなかったが
気が付くと二人は一緒に帰っていた。
その後澪先輩の家に行っていたのでは無いのか?
なら・・・嫌な予感が脳裡を掠める。

532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:10:19.33 ID:xIIysIcD0
梓は唯と連れたって校舎を後にする。
道すがら、梓は唯に切り出す。

梓「唯先輩。今日唯先輩のお家にお邪魔してもいいですか?」

唯「うん、いいよ。」

唯は明るい笑顔で頷く。
二人はコンビニでお菓子とジュースを買って
唯の家に向かった。

梓「おじゃましま~す。」

唯「憂、ただいま。」

憂が二階から顔を出す。

憂「おかえり、お姉ちゃん。梓ちゃんも、いらっしゃい。」

憂は梓に視線を送った後唯に向かって言う。

憂「お姉ちゃん、先上がってて。私、梓ちゃんと話があるの。」

唯はわかったと言って頷くと階段を上がって行った。
憂はそれを見届けてから、
奥の方で話しよっかと言って廊下の突き当たりに歩を進める。

534 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:12:21.62 ID:xIIysIcD0
憂「ごめんね。」

梓「ううん、私も聞きたいことあったから。」

憂「そう、お姉ちゃんから何か聞いた?」

梓は正直に答える。

梓「何も聞いてないよ。」

憂「やっぱり、何も話してくれないんだね、お姉ちゃん。」

憂は俯いて溜め息をつく。

憂は本当に心配しているのだろう。
今まで何も出来なかったのは、唯先輩がそれを望まなかったからだ。
唯先輩のことを思えばこそ、憂はただ見守ることしかできなかったのだろう。
そんな憂を私は責めることなどできなかった。

私だってあのビデオテープを見なければ何も知らずにいたのだから。
いっそ、今ここで澪先輩のことを話すべきだろうか。
力になってくれるなら心強い。

しかし、唯先輩の思いを無駄にしてしまう。
憂が傷つくことは私もしたくなかった。

535 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:13:21.10 ID:H5lQPa2v0
梓・・・

536 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:14:24.60 ID:xIIysIcD0
憂「梓ちゃん。それで、聞きたいことって?」

梓「あ、うん。唯先輩って土日は何してるのかな?って。」

憂「それがね、澪さんの家に泊まりに行ってるみたいなの。」

やはり、そうだったのか。
道理で私と唯先輩が一緒に帰ることを咎めない訳だ。
土日なら誰かに邪魔されることも無いのだろう。
唯先輩自ら赴くのだ。
多分私が誘っても予定があると言って行ってしまう。
私が今日までしてきた事は無駄だったのだろうか。
やっと唯先輩を助ける道を見つけたと思ったのに。

憂「それも毎週・・・」

その言葉に梓は言い知れぬ恐怖を感じた。

梓「それって、何時頃から?」

憂「もう、何ヶ月も前。」

そんなに前から唯先輩は澪先輩に・・・。
それなのに、私は何も気づけなかったのか。
何故、もっと早く気づいて上げられなかったのだ。
そんな自分に腹が立った。

538 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:16:37.16 ID:xIIysIcD0
憂「梓ちゃんは何か知ってるの?」

梓「私は何も。唯先輩からは何も聞いてないし。」

憂「澪さんからは何か?」

梓「ううん。今日初めて知った。」

憂「そう。」

梓はそんな憂に掛ける言葉をなくしていた。

憂「梓ちゃん。」

梓「なに?」

憂は暫く逡巡した後頭を振って言った。

憂「ううん、なんでもない。」

憂「・・・お姉ちゃんのことよろしくね。」

梓「憂・・・。」

憂「前にも言ったけどお姉ちゃん、私に何か聞かれるのが怖くてあまり口利いてくれないから」

憂「梓ちゃんが話し相手になってくれると嬉しいな。」

梓「わかった。唯先輩のことは私にまかせて。」

539 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:18:41.00 ID:xIIysIcD0
そうは言ったものの、どうしていいのかわからなかった。
毎日、唯先輩と一緒に下校すれば、
澪先輩の凶行は行われないだろうと思っていたのだ。
土日にそれが行われるのだとすれば
何とか唯先輩を引き止めるために説得しなくてはならない。
しかも、最悪なことに今日は金曜日だ。
今日中にいったい何が出来るだろうか
迷っている暇は無い、何とかするんだ。

梓は、そう自分に言い聞かせて階段を上がっていった。

梓はリビングに顔を出す。
唯の姿はそこに無かった。

自室に居るのだろか。
憂は唯先輩にあまり口を利いてもらえないと言っていた。
そういうことなのだろう。
だから、憂にお茶とお菓子を頼むことなく
コンビニで買い物をしたのだ。

梓はノックをして唯の部屋に入る。

547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:36:37.63 ID:xIIysIcD0

唯「あずにゃん、憂と何話してたの?」

梓「うん、学校のこと。」

梓は唯と憂のことを思って嘘をついた。

唯「そうなんだ。」

唯もそれを気に留める事はなかった。

それからは二人で笑い合って話をした。
部活や学校のことではなく、昔のことを。
そうすれば、唯先輩の昔の笑顔を取り戻せるような気がしたから。
和先輩の話題も口に出した。
唯先輩は悲しい顔も見せずに楽しそうに語った。
それでも以前の笑顔を見せることはない。
どこか無理をしているような気もした。
些細な違いかもしれないが
唯先輩をもっとよく見ていれば
もっと早く気づけたはずだ。
後悔するにしても遅すぎたのかもしれない。
ならば、今出来ることをしよう。
もう、終わらせよう。

548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:38:57.89 ID:xIIysIcD0
梓は決意した。

梓「唯先輩、憂のことどう思ってます?」

唯「大好きだよ。」

梓「じゃぁ、私のことは?」

唯「もちろん大好きだよ。憂への好き、とは違うけど。」

梓「じゃぁ、澪先輩のことは?」

唯「大好き。」

唯は躊躇いも無くそう言った。

梓「それは、私への好き、とは違うんですか?」

唯は困惑した表情で、どうしてと聞いた。

梓「私、澪先輩が唯先輩に何をしているのか知ってます。」

唯は驚いた表情で聞く。

唯「憂に何か聞いたの?」

梓「違います。憂は何も知りません。」

550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:40:50.72 ID:xIIysIcD0
梓はそこで大きく息を吸う。

梓「ビデオテープを見ました。」

その言葉だけで伝わったのだろう。
唯はひどく悲しい顔をみせた。

唯「ごめんね・・・気持ち悪かったでよね?嫌いになっちゃったよね・・・」

梓「そんなことないです。私は今でも唯先輩のこと大好きですよ。」

梓「だから、もうこんなこと終わりにしましょう。」

梓「私が助けになりますから、だから──逃げましょう。」

唯は縋る様な目で梓を見る。
助けを求めようとしているのかと期待した。
しかし、唯から発せられた言葉は
梓をひどく混乱させた。

唯「このままじゃ、駄目なのかな?」

梓「えっ?」

唯「あずにゃんが黙っててくれれば、みんな幸せになれるんだよ。」

555 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:43:21.00 ID:xIIysIcD0
梓「それって、どういうことですかッ!」

梓「唯先輩はそれでいいんですかッ!」

思わず声を荒げる梓に、唯は、憂に聞こえるからと静かに言った。

梓「ごめんなさい、でもこのままじゃ唯先輩が・・・」

唯「私は平気だよ。」

唯「それに澪ちゃんしか居ないんだ。」

梓「なにがです?」

唯「私の体を好きで居てくれる人。」

唯「澪ちゃんだけなんだよ。こんな醜い私を愛してくれる人。」

梓「そんなの関係ないです。」

梓「私は、唯先輩が好きです。憂だってきっと先輩のこと好きで居てくれます。」

唯「そんなのわかんないよ。」

唯「気持ち悪いって言われる。」

梓「いいませんよ、そんなこと。私も、憂も。」

唯「あぁ、ビデオで見ただけじゃ判らないかもね。」

557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:46:06.77 ID:xIIysIcD0
そう言うと唯は制服を脱ぎだす。
少しずつ、傷ついた体が露わになる。

上半身だけでも相当酷い傷跡だった。
所々赤黒く変色していた。
焼け爛れてケロイド状になった部分もある。

ビデオで見た左の腋の下から腰に掛けては
皮膚が抉れて白い組織が見えていた。
傷はまだ塞がっていない。

次に唯はスカートとタイツを脱いで下半身を見せる。
上半身程ではないが、切り傷と火傷の痕が窺えた。
脚の付け根辺りには
[澪]と刃物で彫られた痕がくっきり残っていた。

そして唯は下着を外していった。
乳房には針か何かで刺したような小さな穴の痕がある。

露わになった下腹部は正面から見ただけでも酷い有様だった。
臍の下辺りは皮膚が焼け焦げて茶色く硬くなっていた。

陰毛は剃り取られているようだった。
恥丘周辺は裂けたような、ひび割れたような、奇妙な傷痕があった。
他にも蚯蚓腫れや乳房にみられたような穴の開いた痕もある。

558 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 21:48:19.03 ID:3tQLafkSO

561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:49:13.45 ID:xIIysIcD0
唯は、ベッドに腰を掛けると
ゆっくり股を広げる。
襤褸襤褸だった。
大陰唇は傷だらけで、執拗に責め立てられていた。
外陰部全体に火傷の痕が散見される。
小陰唇は所々裂けていて、小さなピアスが一つ付けられていた。

唯「中も見る?」

そう言うと唯は陰唇を指で広げる。
血が滲んでいた。

そこで梓は思わず目を背ける。

唯「ね?気持ち悪いよね?」

唯「澪ちゃんはね。これでも好きだって言ってくれるんだよ。」

梓「気持ち悪いから目を逸らした訳じゃありません。」

梓「唯先輩の傷が痛々しくて見ていられないだけです。」

562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 21:49:53.62 ID:IhT6Mewq0
あずにゃんいい子だなあ
563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 21:50:29.49 ID:3tQLafkSO
あぁ…

569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:52:46.71 ID:xIIysIcD0
唯「どうして?澪ちゃんは、ちゃんと見てくれるよ?」

唯「傷だって優しく舐めてくれるんだよ?」

梓「唯先輩を傷つけてっ、その傷を見て喜んでいる方がおかしいんですっ!」

思わず叫んでいたが構うものかと梓は思った。

梓「それに私は、唯先輩の体が好きになったわけじゃありませんからっ!」

梓「傷ついた体しか愛せない澪先輩とは違いますからっ!」

梓「私はっ、傷ついていても、傷だらけでも、傷が癒えるまで唯先輩のことを愛せます。」

梓「傷痕が残ったって、私は唯先輩を愛し続けることが出来ます。」

梓「だいたい澪ちゃん澪ちゃんって、唯先輩は痛くないんですかっ!?」

梓「澪先輩は唯先輩の傷を癒してくれるんですかっ!痛みを消してくれるんですかっ!」

梓「傷つけるだけじゃないですかっ!」

梓「それを愛だなんて、とんだ勘違いですっ!」

574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:55:16.17 ID:xIIysIcD0
梓は唯を勢い良くベッドに押し倒すと
顔をくっ付けんばかりにして唯の瞳をまっすぐに見つめる。
唯から伝わる震えを梓は感じた。

梓「私ならっ、どんな事があったって唯先輩を・・・・」

唯の頬に涙が滴る。
梓は涙を流していた。

梓「唯先輩を傷つけることはしません」

梓「唯先輩を──愛してますから」

梓は唯に唇を重ねる。

梓「お願い。目を覚まして。唯先輩。」

最後の願いを込めて唯の名前を呼ぶ。

唯の震えは治まっていた。
唯の目に光が戻る。
気のせいなんかじゃないと梓は確信した。
唯は力の篭った眼差しを、梓に向ける。
見開いた唯の瞳の奥に、
希望の光が瞬いたのを梓は見た。

581 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 21:58:04.28 ID:xIIysIcD0
唯「あずにゃん・・・」

梓「唯先輩・・・」

唯「ごめんね、こんなに心配してくれてたのに・・・。」

唯「こんなに、私のこと愛してくれてたんだね。」

梓「憂だって同じ様に思ってくれてますよ。」

唯「そうだね、そうだよね。私、ばかだなぁ。」

梓「ホントですよ。ばかですよ。」

唯「もう、終わらせるよ。全部、終わらせる。」

──そしたら、また一緒にデートしようね。

あの日の笑顔がそこにあった。

梓「はい。唯先輩ならいつでも大歓迎です。」

梓は涙を流しながら笑った。

585 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:00:58.84 ID:xIIysIcD0
唯は服を着ると、梓に照れながら言う。

唯「ねぇ、あずにゃん。」

梓「なんですか?」

唯「私、何時もあずにゃんに甘えてたよね。」

梓「そうですね、甘えてましたね。」

唯「今度はね、あずにゃんに甘えてきて欲しいな・・・なんて」

唯は照れ笑いを浮かべる。

梓「いいですよ。恥ずかしいですけど・・・。えっと・・・」

甘える、とはどうすればいいのか、梓にはよくわからなかった。

私は人に甘えなれていない、何時も甘えてくるのは唯先輩だった。
そのせいもあって、自分がしっかりしないといけないと思い、
誰かに甘えることをしなくなった。

梓「あの、どうやって甘えればいいんでしょうか?」

唯は、変なあずにゃんと言って笑う。

唯「ん~とね。なにか私にして欲しいことある?」

587 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:03:04.59 ID:xIIysIcD0
梓「なんでも、いいですか?」

唯「うん。なんでも。」

梓「わ、わかりました。じゃぁ・・・その、ひ、膝枕・・・してください。」

唯「かわいいなぁ~あずにゃんは。いいよ。」

そう言って唯は膝を畳んで梓に手招きする。

梓「じゃ、じゃぁ失礼します。」

梓は唯の膝に頭を乗せて寝転んだ。

とても温かかった。
目を閉じる。
唯先輩が頭を撫でてくれている。
心地よかった。
幸せだった。
ずっとこうして居たかった。

しかし、まだ何も終わっていないのだ。

589 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:05:48.99 ID:xIIysIcD0
梓は、目を閉じたまま呟くように話す。

梓「唯先輩、私の親戚にいいお医者さんが居るんです。」

唯「うん」

梓「此処から結構離れてるんですけど、そこまで行けば安心ですよ。」

唯「うん」

梓「澪先輩だって追っては来れませんよ。」

唯「うん」

梓「だから、明日一緒に電車に乗って行きませんか?」

唯「うん」

梓「朝七時に駅前に来てください。」

唯「うん」

593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 22:08:12.81 ID:W5B87HMo0
>>589
このときの唯はどんな表情で相槌打っいたのだろう

594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:08:16.56 ID:xIIysIcD0
梓「それで──」

唯「うん」

梓「──全部終わりにしましょう。」

唯「うん」

梓「カレーは甘口と中辛どっちが好きですか?」

唯「あまくち」

梓「私もです。」

二人は幸せそうに笑った。

それから、梓は唯と取り留めの無い会話を交わした。

その日は明日の出発に備えるために家に帰ることにした。
ずっと唯先輩と居たかった、それでも明日になればずっと一緒に居られる。

──事実、その通りになった。より多くのものを失って・・・

603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:10:37.67 ID:xIIysIcD0
次の朝、梓は期待に胸を膨らませて駅前に来ていた。

時刻は六時半、少し早すぎた気もするが梓は逸る気持ちを抑えて待った。

七時、もうすぐ、唯先輩がやってくる。

八時、唯先輩はまだ来ない、きっと寝坊でもしているのだろう。

九時、きっともうすぐ来る。

──あずにゃんごめ~ん。遅れちゃった。
──唯先輩また寝坊ですか?
──どきどきして眠れなった。あはは。

十時、携帯に着信があった。メールのようだ。

[差出人:平沢唯]
[件名:助けて]

[本文:
あずにゃ~ん♪わたしだよ(^-^)v
こわい人たちにさらわれちゃった(ToT)
学校の体育倉庫まで来るんだゾ!]

606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:11:58.55 ID:s8MWhdyt0
これは・・ペロッ・・罠だ!!
607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 22:12:26.63 ID:3tQLafkSO
これは……
608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:12:59.16 ID:yKer7u6V0
> [本文:
> あずにゃ~ん♪わたしだよ(^-^)v
> こわい人たちにさらわれちゃった(ToT)
> 学校の体育倉庫まで来るんだゾ!]

なにこれこわい
609 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:13:03.71 ID:dqP0MbwuO
あ あ あぁ ぁ ああ ぁ


611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:13:49.97 ID:xIIysIcD0
愕然とした。
誰が送ってきたのかは一目瞭然だった。
私は馬鹿だっ、結局唯先輩を助ける事が出来なかった。
こんなことになるなら、迎えに行けばよかった。
目に涙を浮かべて走り出す。。
唯先輩に対する罪悪感と澪先輩に対する敗北感に胸が引き裂かれそうだった。
涙で目の前が霞む。
それでも脚を必死に動かした。

梓は息を切らせて校舎裏の体育倉庫の前まで来た。

鍵は開いているのだろう。
何の準備もしていない、それでも入るしかない。

梓「今度こそ、助けますからっ」

梓は勢い良く扉を開け放つ。

足を踏み入れた途端
首筋に痛みが奔る。
強い衝撃が全身を襲う。
短い自分の悲鳴を聞いた。
ぷつりと意識は途切れた。

617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:16:27.87 ID:xIIysIcD0
「・・・あ・・・にゃ・・・ん、あずにゃん・・・」

唯「あずにゃんっ!あずにゃんっ!」

意識を取り戻して最初に聞いたものは唯先輩の声だった
目を開けて最初に見たものは床に散乱した衣服だった。
すぐに、それが自分のものであり、
自分が裸にされていることも理解した。

うつ伏せに寝かされているのがわかる。
背中にずしりとした重みを感じて首を捻る
律先輩が背中に腰を下ろして、ニタニタと笑っていた。

顔を上げて正面を見る。
唯先輩が泣きながら私の名前を呼んでいた。

唯「あずにゃんっ!あずにゃんっ!」

621 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:16:57.48 ID:wuMTxuwe0
いやまだ憂が……!
きっと憂がなんとかしてくれるはず……!

622 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:18:27.33 ID:xIIysIcD0
唯「澪ちゃん、お願い。あずにゃんには何もしないであげてっ!」

唯「お願いっ!殺すなら私を殺してっ!」

澪「私が唯を殺す訳無いだろ。」

唯「駄目っ!殺して!お願い私を殺してっ!!」

唯「それで全部終わりにするのっ!だから、私を殺してっ!」

唯先輩が何を言ってるのか理解できなかった。
状況も上手く飲み込めない。
いったい何があったのだ。

その疑問に答えるように律先輩は私の背中の上で語った。

律「梓にはよく判らないだろうなぁ~」

律「実は今日唯に呼び出されたんだよ私達。」

625 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:20:20.21 ID:xIIysIcD0
そんな馬鹿な!
だって、唯先輩は私と一緒に・・・

律「でさ、突然唯がもう終わりにしたいって言ってさ。」

──全部終わらせるから

そういうことか。

律「澪のやつがすごい泣く訳だよ。やだやだって。」

律「で、親友としては見てられなくてさ。」

律「最近、唯は梓と一緒に帰ること多かったから、何か言われたのかなって。」

律「で、呼んだわけ。」

律「そしたらこれだよ。殺して殺してって、何言ってんのかね唯は。」

律「梓、おまえ唯に何言った?」

627 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:22:14.20 ID:xIIysIcD0
その質問には答えなかった。

梓「唯先輩、全部終わらせるってそう云うことですか?」

梓「自分が死ねばそれでみんな救われるって、そんな風に思ってるんですかっ!」

梓「また、一緒にデートしようねって言ってたじゃないですかっ!」

律「無視すんなよ、おいっ!」

律先輩は私の髪を鷲掴みにして引き上げる。
それから頭を何度も床に叩きつけた。
悲鳴は上げなかった。
唯先輩が見ている。
私の悲鳴なんて聞かせたくない。
きっと唯先輩の心が壊れてしまうから。

私を陵辱するならすればいい、
唯先輩のためならどんな苦痛を受けても泣いたりなんかしない。

632 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 22:23:18.85 ID:qEsBRGhL0
こんなに酷い律は初めて見た

636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:25:25.17 ID:xIIysIcD0
律「なんだこいつ・・・おい澪、全然泣かないじゃんか。」

紬「健気ですね。唯ちゃんが悲しい顔するから泣きたくても泣けないのよね?」

梓「ムギ先輩・・・どうして?」

律「何だ、私を見たときと様子が違うじゃん。もしかしてムギのことだけはわからなかったのか。」

紬「だから部室で渡すのはやめたほうがいいって、言ったのに。」

澪「私も梓に見られるとは思っても無かったんだ。」

気づいていたのか。

梓「だったら、なんで・・・」

梓「私が警察に通報しないとでも思ってたんですか?」

律「だって現に通報してないだろ?」

638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:28:09.38 ID:xIIysIcD0
その通りだった。
それでも先に手を打つなりしなかったのは何故だ。
私が通報していたら・・・
・・・あぁ私は馬鹿だ。

紬「証拠のテープは澪ちゃんに返しちゃったものね。」

澪「それに唯は、私が警察に捕まるようなことは言わないもんな。」

そうだ、私なら何とか出来ると
私なら唯先輩を救えると
思い上がった結果がこれだ。
結局私は唯先輩を救うチャンスを何度も捨てていたのだ。

唯「澪ちゃん、みんな・・・もう、いいでしょ?早く私を殺してよ・・・」

律「いや、もう殺すのは・・・な・・・」

紬「そうですね。」

みんなが一様に暗い顔をする。
和先輩のことかっ!

梓「本当に、先輩達が?」

紬「梓ちゃんも確信はなかったみたいですね。」

律「まぁ、私らもそんなつもりじゃなかったんだけどな。そうだろ?澪。」

644 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:30:55.83 ID:xIIysIcD0
目を向けると澪先輩は泣いていた。
涙を流して俯いていた。

澪「だって和、急に家に来て唯と離れろって・・・」

澪「私、ただ唯と愛し合っていただけなのに。唯を愛していただけなんだよ。」

澪「そう言ったら和、私の顔を殴ったんだよ。なんで?なんで誰もわかってくれないのっ!」

梓「そっ、そんなの只の独り善がりじゃないですかっ!」

梓「唯先輩は傷ついてたんですよっ!それが判らないんですかっ!」

澪「だからさ、思わず首絞めちゃったの。そしたら和、死んじゃってた。」

澪先輩の高笑いが聞こえる。

律「運ぶの苦労したんだからな。」

狂ってる!みんな狂ってる!

梓「おかしいです。みんな狂ってます。何で・・・どうして・・・。」

648 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:32:58.93 ID:xIIysIcD0
律「それにしても未だに逮捕されないのは、ムギのおかげだよな。」

可笑しくも無いのに笑いが込み上げる。

梓「へ、へぇ~。ムギ先輩って警察にも顔が利くんですね。」

紬「それは違うの。」

そう言うとムギ先輩は手品のネタ晴らしでも始めるように
活き活きとして喋りだした。

紬「実はね、事件性を疑っていたのは警察よりもむしろ週刊誌の方だったの。」

紬「澪ちゃんの使ったロープは何処でも買えるものだし、物証は充てにならない。」

紬「目撃証言が全ての証拠なんだけどその目撃者、どうやら浮浪者らしいの。」

紬「その目撃者が死亡推定時刻前後に川原にいたみたい。」

紬「それで、その時刻に死体は無かったって、お金欲しさに週刊誌に喋っちゃったのね。」

紬「運良くその週刊誌が父の会社の広告載せてたみたいでね。」

紬「私、父にこう言ったの。友達が週刊誌の情報で心を痛めてるって。」

紬「そしたら、父は週刊誌発行してる会社と連絡とって、目撃者とコンタクトしたらしいの。」

紬「あとは、お金をちょっとつかませて証言を翻らせて、会社にも以後事件の記事を書かないように言ったみたい。」

紬「大事な証言を取れなくなった警察は、自殺って事で一件落着ね。」
652 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:34:54.90 ID:xIIysIcD0
何処まで腐っているのだろうか。
此処まで来たら一番の疑問に答えが欲しくなった。
多分、私の理解できる答えなんて聞けないだろうけれど。

梓「最後に一つ教えてください。」

律「なんだ最後にって死ぬつもりかよ。」

澪「いいよ、何でも聞きな。」

梓「澪先輩、痛いことも怖いことも苦手でしたよね?」

梓「なんで唯先輩にあれほど酷いことができるんです。」

梓「澪先輩は本当に狂ってしまったんですかっ。」

律「私が、教えてやるよ。」

律「梓はダイエットとかしたことあるか?」

梓「な・・・ありますけど、それがどうかしたんですか?」

律「そういう時って食べ物の話とかされたくないだろ?そういうことだよ。」

梓「そっそんな理由でですか?やっぱり狂ってます。」

律「そうかな、澪は必死でそういうものから逃げて自分を押さえ込んでいたんだぞ。」

律「まぁ、私もそれで澪をからかってたから悪いことしたと思うよ。」

656 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:37:01.78 ID:xIIysIcD0
澪「でも、怖い話は本当に苦手なんだけどな。」

律先輩の笑い声は本当に気持ち悪いほど下卑ていた。
やはり、みんな狂ってるんだ。

律「さてと、澪。これでいいのか?」

澪「うん、始めて。」

何が始まるのか?
後ろを向いて確認しようとするが
律先輩が頭を押さえつけてくる。

律「梓、動くなっての。」

澪「最後のチャンスをあげるね。梓も唯もちゃんと聞いて。」

澪「梓は、唯のこと諦めて欲しい。だから一言助けてって言えば開放してあげる。」

梓「唯先輩はどうなるんですか?」

澪「唯は私から離れられないよ。だって私の事が好きなんだもん。」

唯「あずにゃん。私の事はいいから。」

梓「お断りします。」

唯「あずにゃんっ駄目っ!」

澪「だと思った。律っ!」

663 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:39:21.64 ID:xIIysIcD0
唯「澪ちゃんりっちゃん、お願いやめて、私になら何してもいいからっだからっ!」

律「了解!ちょっと痛いかもしれないけど我慢してねぇ~」

唯先輩の声に誰も耳を傾けない。
ただ私の耳にだけ悲鳴を伴った声が響く。
私は、耐えることを選んだ。
唯先輩と同じ痛みなら幾らでも感じてやる。

梓「唯先輩っ。絶対助けますからっ!」

背中に鋭い痛みが奔る。
皮膚を貫く痛みを感じる。
多分針か何かだろう。
痛かった、泣き出しそうにもなった
それでも、顔は笑ったままでいた。

梓「はっ、ははっ。これがどうかしたって言うんですか?」

律「強がりだなぁ梓は。」

また、同じような痛みが背中に奔る。
吐き出しそうになる嗚咽を必死で飲み込む。

その痛みは何度も私の背中を貫いた。
涙が自然に溢れる。
それでも顔は笑っていた。

667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:41:40.00 ID:xIIysIcD0
唯先輩は私の様子を見て何度も叫んでいる。

唯「あずにゃんっもういいからっ。りっちゃんお願い、もうやめて。ねぇみんな!やめよ?ねぇ。誰かッ!!」

梓「唯先輩、私は大丈夫ですよ。ほら。」

にこっと笑う。
上手く笑えただろうか。

私の背中はどうなっているのだろう?
痛みは持続していた。
針が刺さったままなのだろうか。
背中全体に感じる痛みで眩暈がする。
それでも、助けますから。

突然、陰部に激しく突き刺すような痛みが襲った。

梓「んっ・・・んんんんぅっ・・・」

あまりの激痛に喉の奥から叫びを発してしまった。
唯先輩は、泣いていた。
叫びながら、私の名前を呼びながら、涙を流して泣いていた。
また、悲しませてしまったのだろうか。
もう、どうしたらいいのかわからない。

673 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:43:47.32 ID:xIIysIcD0
澪「もう、十分だろ。梓。」

楽になろう、そうしよう。
それで唯先輩が助かるのなら。

唯先輩の目を見つめる。
泣きはらして真っ赤になった目。

昨日の唯先輩の笑顔を思い起こす。

梓「やっぱり笑ってる唯先輩が好きです。」

──私は殺されたって構わない!

梓「私はっ!唯先輩が大好きですっ!」

梓「今ッ助けに行きますからッ」

律「ははっ、お前自分が今どんな状態になってるかわからないだろ?」

律「背中に何十箇所も釣り針引っ掛けて、針に糸通して支柱に括りつけてあるんだぜ?」

律「動いたら皮裂けるぞ?」

律「そうそう、梓の大事なところにも三本針引っ掛けてやったから。今ならまだ傷痕も残らないぞ。」

676 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:44:49.73 ID:/1LoSVor0
>律「背中に何十箇所も釣り針引っ掛けて、

えぐ過ぎる……
あずにゃん死ぬなよ
678 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:45:30.29 ID:8UQKTnvVO
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

680 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:45:40.65 ID:xIIysIcD0
唯「あずにゃん、本当に、もういいから。」

梓「駄目ですっ。私は絶対唯先輩を助けます。」

梓「唯先輩はどうなんですか?」

梓「私のことどう思ってるんですか?」

梓「私のこと大好きだって言ったじゃないですかっ!」

唯「私は・・・澪ちゃんが好き・・・なの・・・」

澪「唯・・・」

梓「そんなんじゃ駄目ですッ。助けられませんッ。」

梓「私のこと好きでいてくれなきゃ、唯先輩を守れませんッ。」

梓「だからっ、だから一言でいいですからっ、私のこと好きだって言ってくださいっ。」

梓「そしたら私、何だってできます。今すぐ唯先輩を助けますっ。だからっだからっ。」

681 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:46:10.38 ID:LUpxEIH+O
痛い
マジで痛い
下手なグロ画像よりキツい

682 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:47:43.41 ID:xIIysIcD0
梓「もう一度だけ言います。私は唯先輩が大好きですっ!愛していますっ!」

全身を震わせて、声を絞り出して叫んだ。
もう、二度と声が出なくなってもいい。
唯先輩への思いを全てこの声に込めて叫んだ。
唯先輩の心をもう一度だけ確かめたい。
そして、唯先輩を助ける。
唯先輩のためなら命だって投げ出せる。
今がそのときだ!


だから、お願い────思いは届いた。


唯「あずにゃんっ!私も好きだよっ!」

澪「いやっ・・・唯・・・駄目っだめええええええっ!」

唯「何度でも言うよ。私はあずにゃんが大好き。あずにゃんを──愛してるっ!!」

澪「やめてっ・・・いやだいやだいやだいやだ・・・いやあああああああああああああっ!」

唯「あずにゃんっ大好きだからッだからッ──」

689 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:50:09.56 ID:xIIysIcD0
決意は固まった。
全身に力を込めて立ち上がろうとする。
律先輩が頭を押さえつけているが関係ない。
横目で律先輩の顔の位置を確認すると。
握り締めた左の拳を顎に向けて振り上げる。
直撃した手ごたえを感じる。
律先輩の力が緩む。
その隙に体を起こす。
背中の皮膚が突っ張るのを感じる。
こんなもの。
脚に力を込めて勢い良く前に出る。
ぶちぶちと皮膚が裂ける音が聞こえた。
それでも自然と痛みは感じなかった。

そのまま唯先輩に駆け寄る。
早く
もっと早く。
あと数メートル。
もう少しで手が届く。

そこで、首に違和感を感じた。
急に首が絞まり、体を後ろに引き倒す。
足は地面を離れ、背中から床に叩きつけられた。

あぁ・・・終わった・・・。

692 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:52:47.98 ID:LteWLtkqi
背中があああああああああああああああああ

693 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:53:25.64 ID:cCaxwdxlO
マジキチ
694 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:54:04.16 ID:pqtstGR40
もう・・泣くしかない・・

696 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:55:16.27 ID:xIIysIcD0
ゆっくりと体を起こす。
首に触れると細い糸が皮膚に食い込んでいた。

律「あはははっ面白かったけど、これでお終いだよ。」

律「念には念をって、な?ムギ。」

紬「えぇ、私の思ったとおり、健気でいい子でしたよ。梓ちゃん。」

律「澪、大丈夫か?」

澪「・・・もういい。」

律「澪?」

澪「りつぅ・・・唯に振られたぁ。」

律「よしよし、全く澪は甘えん坊さんだなぁ。」

紬「どうしましょうか?」

澪「唯が居ないと私生きていけないよぉ。」

澪「だから、これで終わりにするぅ。」

律「おい、澪。本当にそれでいいのか?」

澪「だってっだって・・・」

699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:57:17.69 ID:xIIysIcD0
律「ッたくしょうがないな。」

唯「ひっ・・・」

暫く、頭の中は真っ白だった。
唯先輩の漏らす悲鳴で周りの状況が漸く認識できた。
律先輩は唯先輩に・・・
なにをしているんだ?
なにを?
なに・・・?

律先輩の手には長細い電球が握られていた。
それを──
唯先輩の──
性器に──
押し込んだ。

唯「いっやあああぁっ!痛いっ!痛いっ!いたいよりっちゃんっ。抜いてっぬいてッ!いたいッいたいぃぃいいっ!!」

何の感情も沸かなかった。
いや、むしろ全身を包む絶望感で、
怒りも悲しみも痛みも感じなかったのだ。

705 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:58:25.14 ID:/1LoSVor0
電球ってまさか
外道過ぎるぞおい・・・


709 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 22:59:22.27 ID:xIIysIcD0
律「こうしようぜ。一日だけ時間をやろう。」

律「考える時間だ。」

律「二人でよく相談しろよな。」

律「その後、警察なり救急車を呼べ。」

律「澪のところに警察が来たら、私達の負けだ。」

律「いいか?梓。唯が失うものの大きさ考えてみろ。」

律先輩は睨み付けてきた。

律「じゃあな。」

そう言うと片膝をゆっくり上げていく。

713 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:01:20.64 ID:xIIysIcD0
澪「まて、律。」

律「ん?なんだよ。」

澪「私がやる。」

澪先輩は先ほどの律先輩と同じように方膝を上げ

唯先輩の下腹部に向けて
足を勢い良く振り下ろした!

薄いガラスの割れる音を聞いた。

悲鳴は聞こえなかった。

唯先輩は泡を吹いて失神していた。

性器からは鮮血が流れ出ていた。

722 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:03:28.50 ID:s8MWhdyt0
あばばばばばばbbbbbbbb
723 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 23:03:58.39 ID:MMdgDlnb0
ああ・・・なんだよこれ・・・


730 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:06:41.54 ID:xIIysIcD0
それからの記憶は曖昧だった。

澪先輩は泣いていたように思う。
律先輩は澪先輩に肩を貸して出て行った。

ムギ先輩は部屋の片隅に立ててあったビデオカメラを片付け
振り向くこともなくその場を後にした。

私は、床に散らばる制服の上着からカッターナイフを取り出し
首に絡みつく透明な糸を切断して、漸く体が自由になった。

服を着て、唯先輩を背に抱いて、引きずるように
少しずつ、休みながら、唯先輩の家に向かった。


玄関が開くと憂が驚いた表情で唯と梓を見た。
憂に唯を預けると暫く玄関に座り込んだままだった。

憂は唯を寝かせてきたと言って
梓に風呂を勧める。

着替えを渡され浴室へ向かった。

733 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:08:14.97 ID:xIIysIcD0
脱衣所の鏡に自分の姿が映る。
酷い顔だった。
髪はぐしゃぐしゃで目は泣き腫らして赤くなっていた。
体を後ろに向け首を捻る。
背中は所々皮膚が裂けて血が溢れている。

梓は股を開いて、性器を見る。
小陰唇が裂けて内腿に血が滴っていた。
酷く惨めな有様だ。
唯先輩を助けると言いながら
私は事態を悪化させただけではないか。

何度もチャンスはあった、
何度もそれをふいにした。

自分の愚かさに頭が狂ってしまいそうだった
いっそ狂ってしまえればどれだけ楽だろう
今も正常に機能し続ける自分の頭が憎かった。

泣きたかった、
叫びたかった、
喚き散らしたかった。

そして無力な自分を全力で笑ってやりたかった。

死んでしまいたい。

743 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:10:18.49 ID:xIIysIcD0
梓はシャワーを浴びる。
酷く沁みて、痛かった。
涙を流した。
そのつもりだった。
顔が濡れていて本当に自分が泣いているのか判らなかった。

縋りつくものが無かった。
甘えさせてくれる人が居なかった。
頼る人が居なかった。

孤独とはこういう状態を言うのだろう。

風呂をあがると少しだけ落ち着いた。

憂「お姉ちゃん寝てる。」

梓「うん。」

二人の会話は簡潔としたものだった。

憂は梓を責めなかった。
梓は謝る言葉を探せないでいた。

憂「もう、限界だよ。」

憂は虚空を見つめて言った。
梓は憂の言葉を待つ。

憂「全部、話してくれるよね。」

746 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:12:26.94 ID:xIIysIcD0
漸く梓は気が付いた。
その言葉が聞きたかったのだ。

ただ、流されるまま相手の言葉に従っていればいいのだ。
相手の望まないことをわざわざやってやる事は無い。
誰かが苦しんでいても助けを乞われなければ見過ごせばいい。
自分から語りかける必要など無いのだ。

私の言葉は人を惑わせる。
感情だけで相手から本音を聞きだそうとする。
自分なら何とかできると
そんな思い上がりが大きな過ちを生んだ。

自分からはもう何も言うまい。
相手が望むことを淡々と行おう。
そうしよう。
楽になってしまおう。

梓は判断力をとっくになくしていた。

憂に全てを語った。
淡々と、ただ口から零れ落ちるように。

748 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 23:13:05.73 ID:ryw8xeYg0
憂がショック死するよ…


752 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:14:53.88 ID:xIIysIcD0
何も隠さなかった。

憂は──憂は泣くことも悲しい表情を向けることも無かった。
何も見ていないようでもある。

憂の感情を察しようとは考えなかった。
だって、憂が望んだことだから。

全てを話し終えた後。

憂は、そう、とだけ言って立ち上がった。

憂は梓の前に紅茶を差し出す。

梓はそれを飲む。

急に眠気が襲ってきた。
薄れる意識の中で憂の声が聞こえた。

──全部、終わらせるから。

──それから

──お姉ちゃんをよろしくね。

759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:16:10.35 ID:6m4r+VhwO
ぎゃああああ!
760 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:16:15.54 ID:ABi5tv2uO
憂いぃぃいいいいいぃぃぃ!
761 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:16:38.82 ID:k2lcJv7bO
こ、これは……!
762 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:16:57.69 ID:e5t7BqKmO
nice boat.
763 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 23:17:18.25 ID:SP7h5oEe0
憂選手のアップ完了しました

765 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:18:23.68 ID:xIIysIcD0
梓は目を覚ますと病院のベッドの上にいた。
何があったのだろうか。
最後に聞いた憂の言葉。

病室のドアが開く。

看護士が入ってきた。
梓は、何を聞くべきか迷っていた。
一言、唯とだけ口にできた。
看護士は梓の顔を覗き込むと
心配ないわよ、と微笑む。

それから、何日かすると刑事が訪れるようになった。
なにがあったのか、ただそれだけが知りたかった。

最初は首を振るばかりだったが、
此方には質問を投げかけてきた。
仕事なのだから仕方が無い。

大分、体の調子もよくなってきた頃。
刑事は重い口を開け、あの日あったことを語った。

769 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:19:45.65 ID:xIIysIcD0
どうやら梓は睡眠薬を飲まされたようだ。
そもそも、憂には心療内科への通院歴があり
不眠症と診断されていた。

梓は想像する。
唯が悪夢にうなされ毎晩呻き声を上げる様子を。
それを聞いて憂が心を痛め、眠れぬ夜を過す様子を。

憂からは何も聞かされていなかった。
いや、本人が言いたくないのだ
無理に聞く必要もなかったんだ。
梓はそうやって自分を納得させる。

その後憂は、澪・律・紬を軽音部の部室に梓の携帯で呼び出した。
憂は家から持ち出した包丁で
三人を手にかけていったのだ。

死の詳しい様子は聞かなかったし、刑事も話さなかった。

その後、憂は警察と救急に連絡し
首を切って自殺した。

770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:20:33.64 ID:HcrgAwB70
流石憂
771 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:20:59.04 ID:2NxTrpnf0
ああああああああああああああああああ
772 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 23:21:02.71 ID:ryw8xeYg0
憂…

776 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:22:01.13 ID:xIIysIcD0
悲しみは込み上げてこなかった。
ただ、全てが終わってほっとしていたのだ。
私は狂っているのだろうか。
狂っているのだろう、それでも楽になんてならなかった。
憂も狂っていたのだろう、
それでも楽にならないから、三人を殺め自殺した。
狂っていても苦しいのか・・・まるで地獄だ。
楽になる方法が死、以外にないというのは悲劇だ。
私が今生きているのは、なんて滑稽なんだろう。

それでも、梓には微かな光が見えていた。
唯先輩のことだ。
看護士や刑事からは生きていると伝えられた。
重傷、だそうだが命に別状は無いと言っていた。
暫く、面会できそうにも無かったが
生きてくれているだけでよかった。

783 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:24:30.89 ID:xIIysIcD0
梓は体の傷も大分癒え、退院を控えた頃
外の様子を知った。
大騒ぎだそうだ。

事件の関係者はその殆どが死亡。
また関係者全員が未成年と言うこともあり
報道も自粛されていたらしいが
憂が事件の全容を記した手記によって、
同情されていた三人の被害者が矢面に立たされる事になった。
被害者は元加害者であり、唯に残虐な行為を繰り返していた。
三人を殺した憂は最大の被害者である姉の唯を助けるために行った殺人だと
一部の者は同情した。
また、自殺と断定された和も憂の手記によって再捜査が行われる見込みとなった。
被害者であり元加害者でもある紬の存在は政財界を大きく揺るがすことになった。
紬の父親は政財界ではかなりの重鎮のようだった。
その父親が娘の友人の殺人に手を貸したとあれば当然のことだろう。
このことで報道は加熱。
加害者の実名もネットではすぐに浸透した。
誰もが事の真相を暴こうと躍起になっていた。

梓には関係の無いことだった。
真相がわかったところで、壊れたものは元には戻らない。

786 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:26:22.20 ID:xIIysIcD0
マスコミが家に押し掛けているようだが梓は気にも留めなかった。
被害者を気取れば奴らは同情して自粛する、そう思った。
そんなことより、唯先輩の事が心配だった。
唯は被害者であり同情されるべきだが
肉親である妹の憂は三人も殺した犯罪者だ。
憂は既に自殺している。
マスコミの訳のわからない怒りは、唯の両親に向いた。
耐え切れなくなった二人は、梓の両親と相談し、
一旦唯を梓達家族に預けることにして、親戚の家に越した。
唯も梓も完全な被害者なのだ、誰かに責め立てられる事はないだろう。

暫くすると報道は下火になった。

その頃には梓は退院し
唯にも面会できるようになっていた。
唯は事件のショックで言葉を失っていた。

梓は、唯の手を握り締め、唯先輩と名前を呼ぶことしか出来なかった。

梓は毎日唯のもとに足しげく通った。
梓は既に復学していたが、唯は卒業できずに留年が確定していた。
それを、梓は喜んだ。
唯先輩と一緒に学校に通える、同じクラスならいいな。そんなことを考える。

788 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:27:15.02 ID:pqtstGR40
もう、泣くしかない。









泣くしかねぇ。

789 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:27:56.54 ID:xIIysIcD0
唯はその年の冬には退院する事ができた。
言葉は失ったままだが、何かの切っ掛けがあれば治るのだそうだ。
梓は唯と共に過す時間を何よりも望んだ。
一緒に学校に通える。
一緒に勉強できる。
胸の高鳴りを押さえられずにいた。

次の年、春が来て二人は同じクラスになった。
唯は両親からの仕送りで近くにアパートを借りて独り暮らしするらしい。
まだ言葉を取り戻せていない唯ではあったが、
梓がその支えになった。
唯のためなら何でもした。
下手な料理も必死に覚えた。
宿題も教えた。

それでも、唯の言葉は戻らなかった。
梓は諦めてもいたが、そのままでいいのではないかと思い始めていた。
唯が言葉を取り戻したら梓の居場所がなくなってしまう。
唯が梓を必要としなくなったら、梓は存在意義をなくしてしまう。
唯のために梓はあった。
唯のために生きている。

791 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:28:30.73 ID:s8MWhdyt0
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792 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:28:55.84 ID:xIIysIcD0
何時の頃だろうか、とても寒い冬のことだったか
唯は梓に一言呟いた。

唯「一緒に死のう?」

唯が言葉を取り戻し落胆したのと同時に
言葉の意味を理解して幸せだと感じた。

一緒に死のう。
そうすれば、永遠に一緒に居られる。
永遠に唯先輩は私のものになる。
嬉しかった。

二人は街外れの墓地にいた。
随分長い道のりを歩いてきたような気がする。
それも、ここでおしまいだ。

800 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:30:02.66 ID:xIIysIcD0
梓は、唯の首に手をかけるが
唯は笑って首を振る。

唯「あずにゃんは私が殺してあげる。」

──あぁ、幸福感に全身が包まれていく。
唯は梓の喉元を両手で包み込み
優しく絞めていく。
頚動脈洞が圧迫され意識が遠のく
梓は唯の幸せそうな笑顔を見て意識を失う。

意識が途切れる間際。

唯「遅すぎたんだよ。あずにゃん。」

唯の声を聞いた。
意味を理解する前に梓の視界は暗転した。

809 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:31:52.68 ID:xIIysIcD0
唯は、数分ほど梓の頚動脈を絞め続けた。
その間、何度か痙攣する梓を必死に押さえつける。
梓を横たえ、馬乗りに跨って首を絞め続けた。
梓から体温が消えていくのを両手に感じると
唯は漸く梓から手を離した。

唯は服に忍ばせた小ぶりのナイフを携えて
澪の墓の前まで来る。

唯「澪ちゃん。愛してるよ。」

唯は勢い良く咽元に切っ先を付きたてようとする。

突然、後頭部に鈍い痛みを感じた。
何かで殴られたような強い衝撃。

薄れ逝く意識の中で、懐かしい声を聞いた。

──終わらせないよ。

澪の声だった。

・・・・・・チッ──チッ──チッ────
目を覚まして、初めに聞こえてきたのは時計が時を刻む音だった。
            >>3へ続く。 おしまい。

818 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:33:39.26 ID:qitC3FcN0
えっ
819 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:33:43.26 ID:WGjNnIgFO
エンドレス・・・だと?

821 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:33:55.42 ID:pqtstGR40
あれ?










あれ?

832 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 23:34:56.13 ID:k66J5fQo0
まさかのループwwwwww

856 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:39:46.65 ID:xIIysIcD0
あとがき

ご愛読、本当にありがとうございました。
気分を悪くされた方、気持ちは凄くわかります。
自分も気持ち悪いです。自分が気持ち悪いです。
本当に申し訳ありませんでした。

857 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 23:39:54.89 ID:W5B87HMo0
な ぜ 澪 を 選 ん だ ?

>>1乙

858 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:40:19.44 ID:RYiLSar1O
結局死んだのは梓、紬、律、和、憂でおk??
859 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/30(木) 23:40:39.47 ID:Hb71t+YWO
結局唯は澪のことを愛してたのか?

879 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2009/07/30(木) 23:48:55.40 ID:ERFdiVmC0
>>512の
──どうか、唯先輩を助けてあげてください。
──どうか、唯先輩の傷を癒してあげてください。
──どうか、唯先輩にあの頃の笑顔を返してあげてください。
──どうか、幸せだったあの頃に唯先輩を連れて行ってください。

おお、怖い怖い


999 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/31(金) 01:37:23.57 ID:5ThDEsR10
1000なら唯と梓は幸せに暮らす

あとみんな幸せになる

>>1
ありがとう
またいつの日かノシ
1000 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2009/07/31(金) 01:37:25.49 ID:SvSpwIkz0
>>1000ならあなたの後ろにも澪が
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